2019 Fiscal Year Annual Research Report
近現代における環インド洋熱帯地域の複数発展径路-発展と低開発の複眼的視野の中で
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19H00543
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
脇村 孝平 大阪経済法科大学, 経済学部, 教授 (30230931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 さやこ 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (00296732)
木越 義則 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (00708919)
小林 和夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (00823189)
小茄子川 歩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 客員准教授 (20808779)
田辺 明生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30262215)
祖田 亮次 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30325138)
水野 祥子 駒澤大学, 経済学部, 教授 (40372601)
太田 淳 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50634375)
杉原 薫 総合地球環境学研究所, 研究部, 特任教授 (60117950)
大石 高志 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (70347516)
谷口 謙次 公立鳥取環境大学, 経営学部, 講師 (70570323)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (80272441)
大橋 厚子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80311710)
佐藤 孝宏 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80444488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱帯の自然環境 / 人口変動 / 出生率 / 長期的発展径路 / 食糧生産 / 貿易 / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度、当初の予定では、三回の研究会を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染状況の深刻化のために、2020年3月7日(土)、8日(日)に予定していた第三回の研究会が延期された。 2019年度の第一回研究会(7月27日、28日)では、研究会全体の「研究課題」および「熱帯の自然環境」というテーマで、計五本の研究報告が行われ、活発に議論がなされた。第一回の研究会では、三地域の「熱帯」としての自然環境の問題を取り上げた。南アジアに関しては、特に水と土壌の問題、そして東南アジア島嶼部に関しては、熱帯雨林地域(ボルネオ)の自然環境が論じられた。また、サブサハラ・アフリカに関しては、特に西アフリカの自然環境-特にサバンナ地域-および東アフリカにおける疾病-マラリア-の問題が論じられた。 第二回の研究会(11月23日、24日)では、「貿易・商業」および「長期的発展径路」というテーマで、計五本の研究報告が行われた。「貿易・商業」というテーマに関しては、インド洋や東南アジアの海域で行われる貿易や商業活動が、上記の三地域の人口扶養力にどのような影響を与えたのかという問題設定を中心に議論がなされた。また、「長期的発展径路」というテーマでは、南アジアに関して、19世紀以前の歴史における長期的な特質-特に社会編成のあり様-を、古代と近世に分けて検討した。 2020年3月7日(土)、8日(日)に予定していた研究会は、年度が改まった2020年6月21日に、Zoomを使用したオンラインの形で実施された。内容的には、「農業技術」および「労働移動」というテーマで、具体的にはインド・ガンジス川中流域およびベンガルのデルタ地域における農業についての歴史的な視野からの二報告、近現代のインド洋における商業的移民についての一報告が行われ、活発な討論がなされた。 さらに、2021年には、2019年度の予算を使用して、資料(研究書)の購入を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のため、2020年3月に予定されていた研究会の延期、さらには、同じく3月に予定していた海外出張を中止せざるをえなくなり、大きな影響を受けた。特に、史資料の調査や海外の研究者との研究交流などを目的とした海外出張を実施できなかったことが痛手であった。。 しかしながら、研究会に関しては、Zoomを使用したオンラインの研究会を実施することによって、代替的な方途が可能となった。すなわち、6月21日、昨年度3月に予定して中止した研究会の一部を実施したが、研究報告とその後の議論が可能であることが明らかとなった。しかしながら、その後も現在に至るまで、海外出張が実施できず、史資料収集や海外の研究者との研究交流に支障をきたしてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究会活動は、2020年度以降、オンラインで実施できたので、所期の目的はある程度達成できたと考えているが、その後も実現できなかった現地での史資料収集および海外の研究者との研究交流に関しては、2020年度分および2021年度分の繰り越し予算を使って、補完的な活動が図ることを考えている。
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