2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new foundation for the sustainable society and regional regeneration by Archives
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19H00550
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
加藤 聖文 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (70353414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 睦 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (00260000)
元 ナミ 京都大学, 大学文書館, 特定助教 (10783920)
平井 孝典 藤女子大学, 文学部, 准教授 (20396336)
湯上 良 学習院大学, 文学部, 助教 (30772363)
太田 尚宏 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (40321666)
阿久津 美紀 目白大学, 人間学部, 助教 (50823449)
阿部 宇洋 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 講師 (90815333)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アーカイブズ / 歴史記録 / 地域再生 / 持続的社会 / 公文書管理 / 社会貢献 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少社会を迎え、地域では過疎化が進行、また大都市圏でも新興住宅地の衰退が激しくなっている。地域の衰退は住民の共同体意識の希薄化をもたらし、地域共同体はこれまで経験したことのない危機に見舞われている。そして、このような危機のなかでアーカイブズそのものも消滅しつつある。本応募研究は、地域共同体の崩壊に対して社会構造の根本的変容を前提とした人文学の新しい課題解決モデルによる持続的社会の基盤創成を目標とする。具体的には、大仙市と天草市をモデル実践地域として選定、海外での先進事例などを取り入れつつアーカイブズを活用した住民の自治意識育成プログラムを開発することで「地域力」再生モデルを構築する。 上記の目標に向けて、①「全国消滅危機アーカイブズ・データベースの構築」、②「海外参考事例の調査研究」、③「研究対象地域におけるモデル化実験」の3つの柱を立てて研究の遂行を図った。 今年度は、①「全国消滅危機アーカイブズ・データベースの構築」に関しては、九州および東北地方の自治体史・刊行資料のデータベース作成を開始、あわせてアーカイブズ情報の一般化を図るためのAtoMの実用化試験に取りかかった。 ②「海外参考事例の比較研究」に関しては、イタリアでトスカーナ文書・図書保護局と連携してトスカーナ州の地域共同体におけるアーカイブズ保全・活用、さらには住民のアーカイブズに対する意識調査を行った。また、レイキャビク市(アイスランド)とヌーク市(グリーンランド)でも同様の調査を行った。 ③「研究対象地域におけるモデル化実験」に関しては、高知県および山形県において現状把握および地元市民ネットワークとの情報交換を行った。 これらの活動は、イタリアの現地紙や毎日新聞(2019年11月25日)等のメディアでも取り上げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外調査では、とくにイタリアにおいて現地の全面協力を得ることが出来、予想以上の成果を挙げている。また、データベース構築に関しても順調であり、AtoMを活用したアーカイブズシステムの実験に取りかかることができた。この他、地域連携に関しても高知県・山形県で市民を交えたネットワーク作りが進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、3つの柱を基に研究を遂行する。なかでも海外調査に関しては、韓国において現地機関との協力によって市民活動のアーカイブズ化の実践例を調査し、あわせてブエノスアイレスにおける行政システムの市民活用事例を調査する。この他、国内では各地方における課題解決型モデルを検証するため、利尻富士町・多摩市・中津川市・日南町・久山町での調査を実施する。
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Research Products
(8 results)