2023 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple resilience against determinacy: Challenges for studies in fisheries commodity supplychains
Project/Area Number |
19H00555
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
赤嶺 淳 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90336701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 教授 (20324676)
福永 真弓 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70509207)
大元 鈴子 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (70715036)
高橋 五月 法政大学, 人間環境学部, 教授 (50791084)
濱田 武士 北海学園大学, 経済学部, 教授 (80345404)
濱田 信吾 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (00734518)
久保 明教 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (00723868)
井頭 昌彦 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70533321)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 油脂間競争 / 外国人研修生 / サプライチェーン / 小規模水産物 / 偶発性 / リスク・マネージメント / マルチサイテッド・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
水産資源を中心とした食糧のグローバルなサプライチェーンの変容を、「偶発性」、「不確実性・不確定性」と「レジリエンス」を鍵概念として記述・分析した。2019年度からはじまった本研究プロジェクトは、初年度の末期より新型コロナウィルスCovid-19の感染が拡大するという、まさに偶発的な事態に直面することとなったし、プロジェクト3年目の2022年2月にはロシアがウクライナに侵攻、最終年度となった2023年10月にはイスラエルでハマスとイスラエル政府間による戦争が生じるなど、1990年代初頭の冷戦終結後に世界規模で構築されてきたサプライチェーンが崩壊する時期に、期せずして本研究を推進することとなった。研究代表者は、本研究において魚油・鯨油のサプライチェーン史を分析することになっていたが、上記偶発的イベントにくわえ、近年の欧州では気候変動の影響でオリーブ油の減産が問題化しており、結果としてオリーブ油の価格高騰はもちろんのこと、ウクライナとロシアを主要生産国とするひまわり油の品不足、それらをうけて世界最大の食用油脂である東南アジアのパーム油市場も大きな影響をうけることになった。このように、油脂ひとつをみても、油脂間相互の影響は小さくなく、こうした事態は、第1次世界大戦から第2次世界大戦のあいだの大戦間期に創発したことが、あきらかとなった。こうしたことから、本研究では、「油脂間競争」なる概念を提出し、今後の研究課題のひとつとしている。Covid-19や紛争で既存のサプライチェーンが大きく変容を迫られていることは水産物でも同様である。しかし、むしろマグロ類に代表されるように国際的な資源管理枠組が整備されているだけに、有事への対応が困難な面ももっており、逆説的であるが需要と供給の調整役としてのサプライチェーンのもつ意義は小さくない。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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