2019 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの熱帯高山における氷河消滅が自然・生態系や地域社会に及ぼす影響の解明
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19H00557
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水野 一晴 京都大学, 文学研究科, 教授 (10293929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 済 日本大学, 文理学部, 教授 (10239650)
手代木 功基 摂南大学, 外国語学部, 講師 (10635080)
孫 暁剛 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (20402753)
奈良間 千之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50462205)
荒木 美奈子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60303880)
中辻 享 甲南大学, 文学部, 教授 (60431649)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80239855)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気候変動 / 氷河 / 自然環境 / 植生 / 地域社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
キリマンジャロにおいて、2019 年 8 月 30 日にArusha Airport よりセスナ機(CESSNA T206H)で1 秒間隔で氷河の上空で周辺の地形も含めた写真の撮影をおこなった。セスナ機からの空撮画像とSfMソフトのPix4D Promapperを用いて、氷河の地形表層モデル(DSM)を作成した。DSMおよびオルソ補正画像の作成には、2015 年 1 月 17 日に取得されたPleiades 衛星のオルソ画像と DSM から取得した地上基準点(GCP)を用いた。 衛星画像解析の結果から、 キリマンジャロの氷河は1912年-2019年の間、 早いスピード(0.11km2/年)で減少していることがわかった。また、 2010年-2019年の年間減少量は従来のスピードよりも早く(0.15km2/年)、そのペースが続けば2024年-2026年頃にはキリマンジャロから氷河は姿を消すことが予想される。一方で、 河川水と氷河融解水の酸素・水素同位体比を分析した結果、 乾季における山体部の河川水(3,939m-4,579m)には、 氷河融解水が寄与していることがわかった。氷河が将来的に消滅し、 キャンプ等の運営に必要不可欠な乾季の山体の河川水が枯渇すれば、 地域の観光産業に少なからず影響が及ぶことが考えられる。 タンザニアのモシにあるMwenge Catholic 大学を訪問し、Lihepanyama講師とキリマンジャロに関する共同研究を行うための打ち合わせをした。キリマンジャロの国立公園内で調査するための調査許可を取得するための準備を行った。また、ナイロビ大学のMwaura講師とも打ち合わせを行い、今後のケニア山とキリマンジャロにおける調査の計画を話し合った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響で海外調査が2020年度は実施できなかった。そのため、当初予想よりは研究計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査が実施できれば、研究計画の遅れた分を取り戻すべく、調査に専念する。海外調査ができない場合は、国内で代わりになるような研究を模索する。
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Research Products
(16 results)