2020 Fiscal Year Annual Research Report
The study of influences by the influx of refugees on local societies and forest resources
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19H00561
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60281549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅雄 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (00240911)
朝廣 和夫 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (30284582)
坂本 麻衣子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50431474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ロヒンギャ難民 / 森林減少 / ホスト社会 / テクナフ半島 / バングラデシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究事業は、長期的な森林減少が問題化し、昨年来の急激なロヒンギャ難民の流入がさらに森林資源を圧迫しているバングラデシュ・テクナフ半島を対象として、その難民の流入による在地社会およびその森林環境に対する影響を明らかにすることを目的としている。事業2年目にあたる2020年度は住民調査、森林ストックの把握と衛星データによる森林量の推移、難民支援にあたっている外部機関の把握を行った。 住民に関する調査としては、昨年度に引き続き、住民の社会経済的属性を把握するために、全世帯の10% を対象にベースライン世帯調査を行った。テクナフ郡の調査は2019年度にほぼ完了し、2020年度はテクナフ郡で未調査の地区、およびウキア郡全域のベースライン調査を完了した。LPGを全世帯に配給するなどの国際機関による難民対応により森林への負荷の変化を確かめるため、世帯調査と合わせてLPGの利用頻度等に関する調査も行った。 森林の状態については、過去から現在に至る変化を衛星画像データを使って解析した。森林ストック量の同定のため、調査プロットを設置した毎木計測調査、3Dレーザースキャナーによる点群測量を実施した。通常の森林に対する調査と並行して、バイオマス燃料の供給源としての屋敷林の役割を評価するため、集落内の屋敷林調査もレーザースキャナーにより体系的に実施した。 難民、住民と並んで重要なアクターである外部援助組織についても傘下組織などのリスト、活動内容の資料を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の発生のため2020年度には日本から人員を派遣しての現地調査はできなかったが、 予定していた調査は現地協力者のBSMR農業大学Rahman教授を中心に現地事務所スタッフにより予定通り実施したため、研究全体の進捗には影響ない。そのほかの項目については、問題なく進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進についても、コロナ禍による渡航の困難さは当面の間継続するものと予想できるが、調査研究項目についてはほぼ計画通り実施する予定である。現地調査については、事業の開始当初から現地協力者の研究者との体制づくりを行い、上記のように必要な調査は日本からの渡航が難しい場合でも遂行できる体制が整えられている。現地協力者とは週1回のペースでインターネットを利用した研究打ち合わせ会議を開催している。データの整理、分析も日本とバングラデシュ双方で共同して行っている。このため、調査研究は当初の目的を達成できる見込みである
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Research Products
(2 results)