2020 Fiscal Year Annual Research Report
消費者行動における知覚バイアスの発生とその影響に関する体系的研究
Project/Area Number |
19H00601
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
守口 剛 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70298066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恩藏 直人 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70194652)
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
阿部 誠 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70302677)
阿部 周造 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (30060015)
須永 努 関西学院大学, 商学部, 教授 (20438914)
石井 裕明 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (50548716)
外川 拓 上智大学, 経済学部, 准教授 (10636848)
奥瀬 喜之 専修大学, 商学部, 教授 (30312440)
八島 明朗 専修大学, 商学部, 准教授 (30583223)
平木 いくみ 東京国際大学, 商学部, 教授 (60367026)
石田 大典 日本大学, 商学部, 准教授 (80507872)
朴 宰佑 中央大学, 商学部, 教授 (50401675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 消費者行動 / 知覚バイアス / 感覚間相互作用 / ナッジ / 感覚マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に行なった既存研究の整理から、視覚刺激に関連する既存研究が多く存在することが再確認された。これらの研究の整理から、未検証で独自性のある研究テーマとして、商品陳列の方法(horizontal display vs. vertical display)と視覚的情報処理の関係に焦点を当てることとした。20年度前半に、このテーマに関する既存研究の整理と研究仮説についての検討を行った。 また、視覚刺激に関連する研究とは逆に、嗅覚刺激の影響についての既存研究の蓄積はそれほど多くない。一方で、昨年度実施した既存研究の整理と研究課題の検討によって、視覚刺激がもたらす知覚バイアスのメカニズムが、嗅覚刺激に関しても成り立つのではないかとの仮説を得た。この点に着目して、新規性がありインパクトのある研究成果をいち早く創出するために、嗅覚刺激に関連する研究を前倒しして行うこととした。嗅覚刺激に関する研究については、実験参加者に香りを呈示するための専門的な機器、ツールが必要となるため、それらを有する香料メーカーの協力を得て、対面での実験を実施する計画を立てていたが、20年はじめからの新型コロナの流行により実験実施が困難になった。嗅覚刺激を用いた実験は、実験参加者にマスクを外してもらい香りを嗅いでもらう必要があるため、新型コロナの流行が落ち着くまでの間、実験を延期することとした。 感覚間相互作用に関する研究テーマの中で、聴覚刺激と視覚刺激の相互作用に焦点を当てた研究についても、昨年度に実施した既存研究の整理から、未検証で独自性のあるテーマが抽出された。このテーマについて、20年度後半に対面での実験を実施した。 なお、これまでの研究成果について20年度末にシンポジウムを開催して報告する計画を立てていたが、新型コロナの影響を鑑み、延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記した嗅覚刺激に関する実験は、実験参加者にマスクを外してもらった上で対面で実施する必要があるため、新型コロナの流行が落ち着くまでは実施が困難である。聴覚刺激や視覚刺激を用いた調査、実験の一部はオンラインや対策を講じた上で対面での実施が可能であった。ただし、これらの調査実験についても、対面で実施する場合の人数の制限などによって当初計画通りにはすすめられなかった。 また、本研究には多くの分担研究者が参加しており、研究会や研究ミーティングで密にコミュニケーションをとりながら研究をすすめてきた。一方で、特に20年度はじめの新型コロナの流行の初期は、それぞれの研究者がオンライン授業への対応などに追われており、またオンラインミーティングにも慣れていなかったため、研究者間で密にコミュニケーションをとって研究をすすめることが困難であった。 さらに、本研究テーマは、国内よりも国外で研究が活発に行われている。そのため、海外の研究者との議論を通じた情報収集が不可欠である。20年度は海外への渡航、海外研究者の招聘ができなかったため、この点も研究の進展の障害となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの流行は収束していないものの、対策を講じた上での対面での調査、実験は実施できるようになっている。嗅覚刺激を用いた実験実施など、まだ困難なものもあるが、それ以外のテーマに関しては、オンラインでの調査、実験も含めて大きな支障なくすすめられるようになっている。20年度までに実施してきた研究テーマの中で、特に聴覚刺激と視覚刺激の感覚間相互作用に関する研究については期待通りの研究成果が得られており、今後はこのテーマに関する研究を推進することで、研究の活性化を図っていく予定である。 また、20年度後半からは、オンラインを利用した研究会、研究ミーティングを高頻度で実施してきた。オンラインででのミーティングの方が、時間や場所の制約が小さくなるため、これまでよりもむしろ効率よく議論がすすめられることを経験してきた。今後は、研究者間のコミュニケーションを一層密にとりながら、研究を推進していく予定である。
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Research Products
(16 results)