2019 Fiscal Year Annual Research Report
Techno-Sociological Research on Systems for Supporting the Daily Lives and Co-presence of the Elderly and Migrants with Their Hometowns
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19H00605
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山崎 敬一 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80191261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
久野 義徳 埼玉大学, 理工学研究科, 名誉教授 (10252595)
樫田 美雄 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (10282295)
秋谷 直矩 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (10589998)
小林 貴訓 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20466692)
平本 毅 京都府立大学, 文学部, 准教授 (30469184)
樫村 志郎 神戸大学, 法学研究科, 名誉教授 (40114433)
西澤 弘行 常磐大学, 人間科学部, 教授 (50296068)
中西 英之 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70335206)
福田 悠人 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (70782291)
浦野 茂 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (80347830)
小林 亜子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90225491)
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (90366831)
池田 佳子 関西大学, 国際部, 教授 (90447847)
陳 怡禎 日本大学, 国際関係学部, 助教 (30845722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エスノメソドロジー / 会話分析 / 高齢者支援 / リモート・インタラクション / リモート・インストラクション / 社会的ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は(1)人々の日常性や共在性の研究(2)高齢者の日常性や共在性の支援の研究(3)遠隔システムを中心とした、人々の日常性や共在性の支援の研究、以上3つの研究を中心とするものである。本研究では、人々の活動の社会学的分析とその活動を支援する工学的システム開発を、社会学者と工学者の共同研究によって実施するものである。 (1)人々の日常性や共在性の研究に関しては人々の集団での行動場面、特に街歩きの実験と分析を神戸で行った。また、京都での買い物場面の分析を行った。また、海外(カナダ)で行った街歩きデータの分析を行った。更に、デジタルアートの鑑賞場面の分析を行った。 (2)高齢者の日常性や共在性の支援の研究に関しては、神戸市の高齢者施設で、地元の野球チームとの交流活動の調査や分析を行った。 (3)遠隔システムを中心とした、人々の日常性や共在性の支援の研究では①高齢者施設からの地元の野球チームの応援実験②ショッピングセンターでの遠隔買い物支援実験③酒蔵を使っての遠隔での鑑賞実験を行った。①に関しては神戸市の高齢者施設から独立リーグに所属する地元の野球チームに対する遠隔の応援実験を行った。②に関しては埼玉県のショッピングセンターで、手持ちのカメラと買い物カートに取り付けた360度カメラを使用しての遠隔からの買い物支援の実験を行った。③に関しては埼玉県内の酒蔵を使用してパフォーマンスアートとデジタルアート「新竹取物語」を遠隔及び現地で鑑賞する実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パンデミックの影響から、海外での実験(ハワイと福島での交流実験)は実施できなかったが、国内での日常性と共在性に関わる実験や高齢者支援と遠隔に関わる実験を実施することができた。特に複数人での街歩きや複数人での買い物といった日常的な活動の分析を行うことができた。とりわけパンデミック時代において複数人での活動が制限されている中で、そうした活動の意義を明らかにするとともに、遠隔技術やロボット技術を使って人々の日常性や共在性を支援するシステムを開発し、実験を通してその有効性を明らかにすることができた。具体的には、集団での街歩きにおける活動の分析を行い、遠隔からその活動に参加するためにはどうすればよいのかを明らかにした。また遠方にいる人と現地にいる人が、遠隔システムを使って共同で買い物をする場面を分析し、共同で買い物をするための遠隔システムの必要条件を明らかにすることができた。また遠隔鑑賞や遠隔応援の実験を行い、複数人での活動を支援するための遠隔システムの必要条件を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)パンデミックの影響から2020年度は海外での実験を実施できなかったため、2021年度は可能であればハワイ・福島での実験を行う。ホノルル福島県人会とは既にオンライン会議を数回行い渡航制限の緩和後直ちに実験を行うということで話し合いを進めている。また、シンガポールでも街歩き実験を行うという話し合いを進めている。 (2)当初の予定ではハワイとともにブラジルでの実験も計画していたが、2021年度はパンデミックの影響から、沖縄での実験や震災被害にあった淡路島・神戸での街歩き実験・遠隔支援実験を行う予定である。 (3)遠隔での鑑賞実験や応援実験、買い物実験も行い、人々の日常性や共在性を支援するシステムの開発を行う。実験の分析から、そうした支援システムの開発において人々の活動の社会学的な分析を行うことの有効性を明らかにしたい。こうした高齢者支援のシステムや遠隔システムの研究成果は国際学会や国際ジャーナル及び国内外で行うシンポジウムで発表する予定である。具体的には、2021年5月に開催される情報系の国際学会(CHI)で遠隔での応援システムについて発表する。また、遠隔買い物やロボットを用いた買い物支援についてデンマークの国際会議「マルチモーダル・デイ」で基調発表を行う予定である。
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