2019 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの課題スクリーニングから支援・効果まで循環するシステム構築
Project/Area Number |
19H00610
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山野 則子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50342217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 登志子 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (00295916)
岩永 靖 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 准教授 (10526221)
和田 一郎 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (10711939)
大嶋 巌 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (20194136)
中島 智晴 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (20326276)
大友 秀治 北星学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (40648002)
比嘉 昌哉 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (50342431)
小野田 正利 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60169349)
長崎 和則 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90309641)
吉田 卓司 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (90610212)
山中 徹二 大阪人間科学大学, 人間科学部, 助教 (90712430)
宮本 貴朗 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70291606)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 早期キャッチ / スクリーニングシステムAI / 循環システム構築 / SSW / EBPプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学校の持っている全校児童生徒の客観的なデータから確実に早期に支援の必要な子どもを発見でき、支援につなぐ決定ができる、スクリーニングシステム(AI)を開発し、すでに研究展開してきた効果的なスクールソーシャルワーク事業プログラムと連動させ、早期発見、支援、効果まで確認できる循環システムを構築することである。それをEBPプログラム(Evidence- Based Practice Programs)として評価統合データベースを構築する。 本研究の目標を達成するために、研究班は、AI班、プログラムモデル班、エビデンス分析班と分担して進めている。AI班は学校現場において活用できる子どもの遅刻や未受診などの実態から確実に問題を発見し、スクリーニングできるシステムを構築する。プログラムモデル班は、スクリーニングシートの作成を行うとともに協力自治体・熟練者から過去のアプローチ方法や支援に関するヒアリングを行い、AIのデータとして蓄積する。また、SSW事業プログラムによって、支援が必要な子どもにスクリーニングからSSW実践効果まで確認できる循環システムを構築する。エビデンス分析班はSSW事業プログラムのランダム化比較実験(RCT:Randomized Controlled Trial)により制度を高める。本年度は、AI班は過去の調査結果からAI開発の検討、情報セキュリティポリシィの策定、プログラムモデル班とエビデンス分析班は、SSWあり方研究会を実施し内容の検討、SSWプログラムのRCTの事前テスト実施、スクリーニング実施者の聞き取りと整理することを行った。また、協力自治体、SSWからのヒアリング、SSWプログラムのRCTの事後テスト実施、システム初期版完成、業者と交渉し選定後、確定を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各自治体からデータ収集ができるための契約を結んだ。AI班は、2018年度スクリーニングシート活用からモデル構築委託自治体(能勢町)の実績や2016年度の10万件データ分析経験からAI開発の方策、モデルを検討した。また個人情報漏洩等防止に関する対策として、得られた情報を安全に管理運用するため、情報セキュリティが専門である宮本貴朗教授から助言を得ながら情報セキュリティポリシー及びプライバシーポリシーを策定し、情報の維持管理に関するガイドラインを作成した。 一方、AIシステム初期版を導入することを承諾していた研究協力の自治体から、想定以上に複雑であるとして研究協力に難色を示した。また、新型コロナウイルスの影響により、予定していた研究協力の自治体との対面での打ち合わせが困難になった。本研究では、自治体におけるシステムの導入・試行が不可欠である。自治体の実施により得られたデータをAIに学習させる必要があるが、自治体からのデータをもらうのが遅くなったため、AIシステム構築に遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
より利便性やセキュリティを高めたスクリーニングの実践・活用を実現するため、ウェブベースのシステムの開発を行う。これと並行し、これまで得られた自治体からのスクリーニングデータ、またこれまで議論を行ってきたグッドプラクティス・バッドプラクティスの情報を統合したデータによる試行を繰り返し、AIによる児童支援の方策の開発を進める。 プログラムモデル班は、データ分析によって明らかになった、スクリーニングから支援のあり方の流れを確立するプログラムを作成する。支援の結果を分析し、エビデンス班の助言を得ながら協力自治体に実際に返し、実行ができるように取り組む。
|
Remarks |
山中:公益社団法人大阪社会福祉士会主催の研修会でコーディネーターを務めた。 吉田:兵庫県社会福祉士会「スクールソーシャルワーカー育成研修」で発表した。
|