2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Objective Methods for Evaluating and Supporting Attachiment Disorders
Project/Area Number |
19H00617
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
友田 明美 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80244135)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)
島田 浩二 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (00711128)
牧田 快 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 学術研究員 (10726607)
水野 賀史 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (50756814)
滝口 慎一郎 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (70382926)
藤澤 隆史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 講師 (90434894)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 愛着障害 / アタッチメント / マルトリートメント / 脳MR画像解析 / 拡散テンソル画像 / 視線計測評価 / オキシトシン / ADHD |
Outline of Annual Research Achievements |
愛着障害を有する子どもの1)脳MR拡散テンソル画像(DTI)および2)視線計測検出装置による視線パターンによる社会性発達データを取得し、定型発達児を対照に群間解析を行った。その結果は、愛着障害の病態解明および病態特徴に基づいた治療方針の選択等を目指した臨床応用への発展に貢献した。
1)DSM-5の診断基準を満たした愛着障害(反応性アタッチメント障害)児31名(平均年齢:12.7歳)の拡散テンソル画像を用いて大脳白質の神経の走行性を調べてみた。定型発達児41名(平均年齢:12.5歳)と比べて、視床の灰白質容積と視床から前頭葉を繋げる白質線維(Anterior Thalamic Radiations)が増加していた(Jung et al., Cerebral Cortex 2020)。さらに、視床の灰白質容積の増加と臨床病状の評価尺度との関連性を調べたところ、視床の灰白質容積の増加と子どもの問題行動尺度との間に有意な関連性が認められた。今回の検討で、愛着障害児は感覚入力(視覚・聴覚・体性感覚)に重要な役割を担う視床と問題行動との間に関連性が示唆された。 2)乳児院や児童養護施設に入所する被虐待経験のある幼児(マルトリートメント群:以下CM)に視線計測を行った結果、非定型的視線パターンが確認され、社会行動特性との関連性も示唆された(Suzuki et al., Sci Rep 2020)。また社会性に関連すると言われている唾液中オキシトシンホルモン濃度が対照群(一般家庭養育下にあるCM歴のない幼児)に比べて低くその差異が認められ、視線や行動調整に関与している可能性が確認できた。先天的な発達課題に限らず、幼い時期に受けた養育的問題によって生じうる子どもの問題行動や社会性発達の課題を予測する簡便な一手段として、早期発見や早期療育に関連する有益な見解を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複数の中間データが滞りなく得られ、現在国際誌投稿の段階に入っている。本研究の独創性を反映したユニークな視点、手法による結果が得られたため、当初の予定を超える順当な成果をあげたと評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き令和2年度も、被験者リクルートおよび脳MR画像解析などを推進する。
|
Remarks |
https://researchmap.jp/read0172993/published_papers
|
Research Products
(13 results)
-
-
[Journal Article] Developmental changes in attention to social information from childhood to adolescence in autism spectrum disorders: a comparative study2020
Author(s)
Fujioka Toru,Tsuchiya Kenji J,Saito Manabu,Hirano Yoshiyuki,Matsuo Muneaki,Kikuchi Mitsuru,Maegaki Yoshihiro,Choi Damee,Kato Sumi,Yoshida Tokiko,Yoshimura Yuko,Ooba Sawako,Mizuno Yoshifumi,Takiguchi Shinichiro,Matsuzaki Hideo,Tomoda Akemi,Shudo Katsuyuki,Ninomiya Masaru,Katayama Taiichi,Kosaka Hirotaka
-
Journal Title
Molecular Autism
Volume: 11
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-