2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Objective Methods for Evaluating and Supporting Attachiment Disorders
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19H00617
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
友田 明美 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80244135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 浩二 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (00711128)
牧田 快 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (10726607)
水野 賀史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (50756814)
藤澤 隆史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (90434894)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マルトリートメント / 脳画像解析 / エピゲノム解析 / 愛着障害 / 子ども虐待 / トラウマ関連障害 / アタッチメント / 養育者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、マルトリートメント経験に起因する愛着障害を有する子どもの脳MR画像を取得し、定型発達児を対照に群間解析を行った。その結果は、愛着障害の病態解明および病態特徴に基づいた治療方針の選択等を目指した更なる臨床応用への発展に貢献した。 1)被虐待児ではOXT遺伝子にメチル化が生じ、それが虐待の種類、脳構造・機能と関連していたことについて、Translational Psychiatry誌に発表した内容の国際プレスリリース、新聞、テレビ報道があった(Nishitani et al., Transl Psychiatry 2021)。2)母親の養育ストレスにメチル化変異が関連していることを明らかにした(Nishitani et al., Front Genet 2022)。3) COVID-19パンデミックによる社会変革が育児ストレスに与える影響について、南アジア(インド)、東南アジア(マレーシア)、東アジア(日本)の3か国・地域を対象に、養育者へのWebによる比較調査を行い、パンデミック前後の育児ストレス、パンデミックに関連した不安・恐怖、さらに小児期の逆境が育児ストレスやCOVID-19に対する不安・恐怖とどのように関連しているかを明らかにした(Kurata et al., Front Psychol 2021)。4) 研究成果定着のための「マルトリ予防」と「とも育て」の理解を広げるための講演を62件行った。市民公開シンポジウム7件、報道数20件、専門家研修48件、教材作成6件を行った。5) 東京都小金井市の啓発資材「児童虐待防止マニュアル」作成に協力(東京都小金井市子ども家庭部子育て支援課子ども家庭支援センター編2022年2月)。6)「母子保健・家族計画の普及指導の功績」で令和3年度一般社団法人日本家族計画協会会長賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍にも関わらず、マルトリートメント経験に起因する愛着障害を有する子どもの脳MR画像を縦断的に取得できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に生じたCOVID-19の感染拡大以降、現時点まで当初予定通りの計画遂行が実現できている。これまでの研究によって、被虐待児ではオキシトシン遺伝子にメチル化が生じ、その変異が対人関係に関わる脳ネットワークに関与していることが明らかになった。また、それが虐待の種類、脳構造・機能と関連していることを突き止めた。令和4年度はエピジェネティックな機構にターゲットを絞った全く新しい治療法への道を開拓したい。
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Research Products
(33 results)