2019 Fiscal Year Annual Research Report
Re-designing University-Science System in the age of Open Science
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19H00621
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 信一 広島大学, 高等教育研究開発センター, 特任教授 (90186742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 美智子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20221418)
村澤 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (00284224)
船守 美穂 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (70377141)
齋藤 芳子 名古屋大学, 高等教育研究センター, 助教 (90344077)
両角 亜希子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (50376589)
羽田 貴史 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 名誉教授 (90125790)
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
藤村 正司 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (40181391)
吉田 文 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10221475)
渡邉 聡 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (90344845)
小林 傅司 大阪大学, COデザインセンター, 教授 (70195791)
藤垣 裕子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50222261)
川崎 勝 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (70253177)
神里 達博 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (10508170)
山内 保典 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (40456629)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大学政策 / 科学論 / 大学論 / 高等教育研究 / EBPM / 科学の危機 / 映像アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1)大学政策立案・政策運営の妥当性の反省的検証、2)政策立案における学問研究知および方法論の検証、3)大学論と科学論の交流、そして4)新しい大学像・科学像および大学・科学相関システムのリデザイン、にある。 2019年度は、1)および2)については、a)論文執筆、b)学会発表、公開研究会やシンポジウムの主催・参加による知見の蓄積、を行い、3)および4)へと繋げる下地を形成した。 a)は研究代表者の小林(信)を始め、羽田、丸山、村澤らにより『教育社会学研究』誌上にて高等教育研究の俯瞰的な批判検証を行い、政策の無批判な受容による研究の横行、政策検証型研究の不足、方法論的脆弱性等を明らかにした。また、研究評価(船守)、研究倫理(小林傳)、大学ガバナンス(両角)、大学教育(藤垣、椿、吉田、)、IR(山田)、教員キャリア(丸山,齋藤)、資源配分(渡邉)等について、幅広く検証を進めた。 b)は、主として、広島大学高等教育研究開発センターの公開研究会の主催(https://bit.ly/2Zsb3Zl)を通じ、高等教育政策における「証拠に基づく政策立案(EBPM)」能力の不足、高等教育研究における方法論の脆弱性等を明らかにした。 また、学会発表、招待講演、シンポジウム・ワーキンググループ等の主催・参加等を通じたa)の個別課題の探求を進めるとともに(例えば医学教育改革:川崎)、大学論・科学論の融合も試みられた(「高年次教養教育の試みとその成果」https://bit.ly/3e9YPsc, 吉田、小林(傳)、藤垣)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、科研の計画書における1)知のオープン化よる大学や科学の基盤の変容に関する実態分析、2)大学を取り巻く環境の変化に関する実態分析、3)科学の大変革と「科学の危機」に関する実態分析、4)大学政策の反省的評価、および「映像アーカイブの構築と公開」を進める計画であった。実際には、7月に名古屋大学において全体研究会が主催され研究の方向性を確認・共有し、1),3)を主として科学技術システム論チームにより、2),4)を主として高等教育システム論チームによって進めた。 その結果、業績一覧にあるように科研を母体とした論文や学会発表、招待講演やシンポジウム主催・参加など多数上梓され、成果がすでに得られている。成果の公表は、我々の問題提起と併せて、広島大学高等教育研究開発センター主催の公開研究会(https://bit.ly/2Zsb3Zl)を通じて広く発信され、多数の参加者もあったことから、社会的インパクトも小さくは無いと判断できる。また、上述の大学・科学論を融合したシンポジウム(高年次教養教育の試みとその成果)にも波及した。 また、2月には広島市において全体会合を行い、2019年度の研究進捗状況の確認・検証と2020年度以降の研究の見通しを検討した。その結果、最終目標である6)大学論、科学論、政策論の協働による新しい大学像・科学像、 大学・科学相関システムの構築へ向けて、計画通りに進めるとを確認した。なお、映像アーカイブ化の方法論や技術・ノウハウを開拓し、様式をほぼ確定し、一部実験的な映像アーカイブを公表するとともに、今後の拡張の基盤を構築中である。 これらを総合的に判断し、おおむね順調に進んでいる、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
全体集会を2回程度開催する。初回は事業計画の提示・確認、年度末に進捗状況確認・検証と次年度以降の計画の見直しを行う。特に、2020年度からは、研究計画書の5)科学の現実を踏まえた高等教育研究、大学との関わりを組み込んだ科学論の構想、を開始する予定なので、上述2回の会合においてこれまでの成果を踏まえた議論を行い、構想の青写真を描く予定である。 しかしながら、周知のとおり、コロナ禍により、予定していた国内外の学会発表や研究会が延期または中止が2019年度末から相次ぎ、予定していた旅費の執行が既に困難になっている。そこで、TV会議による研究会、国際会議を開催するほか、映像アーカイブの開発・公開を加速することで、目標達成を目指す。 成果発表については、国際学会への参加が困難なことから、広島大学高等教育研究開発センターが保有する各種発表媒体(ディスカッション・ペーパーシリーズなど)の積極的活用を行うとともに、国際会議を含めて、TV会議・映像アーカイブにより対応する。なお、旅費予算は、オンライン会議のためのインフラ整備や映像記録・編集等の費用へと転換して研究を進める基盤を構築する。本研究では、近未来の研究活動では映像アーカイブの作成と公開が重要になることを見越して、その実現自体を研究課題としてきた。そのおかげで著作権処理、技術的課題等を克服し、約1年間で試行段階に到達しており、コロナ禍にも対応できる研究基盤を構築できたことは大きい成果である。 また、コロナ禍は、大学や科学者の在り方、大学政策に大きな影響を与えており、本研究の格好の研究材料でもある。この気を逃さず、政策や大学人の言動、世論の動向に関する各種情報(政策文書、定量データ、SNS等のビッグデータなど)を迅速に収集するシステムを構築・運用する予定であり、これらも当初計上していた旅費の転換により補完する予定である。
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Research Products
(95 results)
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[Presentation] 課題探究型の教員研修における小学校若手教員の学び―ポスター発表、相互評価、アンケート回答の結果から2019
Author(s)
安積 典子, 川上 雅弘,山内 保典, 仲矢 史雄,萩原 憲二,秋吉 博之,片桐 昌直,井奥 加奈, 生田 享介,岡崎 純子, 川村 三志夫, 神鳥 和彦,種田 将嗣, 辻岡 強,任田 康夫, 中田 博保,廣谷 博史,堀 一繁,向井 康比己,吉本 直弘
Organizer
日本科学教育学会
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