2020 Fiscal Year Annual Research Report
Variations and evolutions of Martian atmospheric environment investigated in the collaboration with European and US missions
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19H00707
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠羽 康正 東北大学, 理学研究科, 教授 (10295529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 広務 東北大学, 理学研究科, 助教 (30463772)
佐川 英夫 京都産業大学, 理学部, 教授 (40526034)
寺田 直樹 東北大学, 理学研究科, 教授 (70470060)
岩渕 弘信 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80358754)
黒田 剛史 東北大学, 理学研究科, 助教 (40613394)
青木 翔平 東北大学, 理学研究科, 客員研究者 (60773629)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 火星 / 現在大気環境の変動 / 過去大気環境の再現 / 探査機・望遠鏡観測 / 大気数値モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
(A) リム観測による対流圏・中間圏大気の鉛直構造観測: リトリーバルツール開発を進捗させ、各種問題を解決し成立にむけ前進させた(口頭発表: 小暮+ 2020など)。またExoMars TGOによる「火星観測最初の1年」(2018ダストストームを含)の水蒸気高度分布変動をまとめた(口頭発表:Aoki+ 2020)。 (B) 米MAVEN等による熱圏・外圏大気の鉛直構造観測: 紫外線観測器IUVSを用いて大気波動による上層変動観測を実現した(論文:Nakagawa+ 2020など)。また、金星でCO・CO2の高度分布の違いから上方への物質輸送の鍵となる渦拡散係数の導出に成功(口頭発表:Mahieux+ 2021)。同手法を火星N2・CO2高度分布観測に援用し、季節・緯度変動を初報告した(論文:Yoshida+ 2020など)。極端紫外線宇宙望遠鏡Hisakiでも、酸素・水素発光から上層大気がダストストーム影響で大変動したことを報告した(論文: Maunaga+ 2020)。 (C) 地上・航空機望遠鏡による全球水平構造観測: 火星への援用を軸に、CO2線を用いた大気速度場・雲上端高度の導出手法を金星で確立(論文:Takami+ 2020; Sato+ 2020)、その成果を一部援用してハレアカラT60観測で2018ダストストーム時の火星上層大気速度場擾乱の様相をまとめた(口頭発表: Miyamoto+ 2020; 笠羽+ 2020など)。また、ALMA観測による全球ダストストーム時の風速場・温度場等の解明も進めた(口頭発表: Sagawa+ 2020など)。 (D) 対流圏-中間圏・熱圏-外圏鉛直結合モデル: 現環境の数値モデル開発を継続し、ダストストーム中の大気重力波の様相(論文:Kuroda+ 2020)および太陽風磁場の影響(論文:Sakai+ 2021)をまとめた。また、古環境モデル開発も進めた(口頭発表: Kamada+ 2020; Kuroda+ 2020など)。さらに古表層水環境の痕跡を探すべくRSLが集中するマリネリス渓谷近傍でレーダーデータから広域地下構造を見出し(Noguchi+ 2020)、同様にCAP領域を探査中(口頭発表: 大浦+ 2020など)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
引き続きCOVID-19の影響で、特に出張や現地作業を要する項目を中核として以下の活動が2021年度にずれこむ形で進行した。平常に復帰すればこれらは2021年7月末を目標に遂行する予定だったが、2021年11月末をもって概ね予定していた線に至っている。 (1)欧ExoMars TGOデータ校正と同期するリトリーバルツール開発、(2)米と連携する米MAVEN探査機熱圏-中間圏データ解析、(3)東北大ハレアカラ望遠鏡等の整備・観測。「物品費」はこれらに要する電子機器・消耗品等、「旅費」は国内での成果公表、「人件費・謝金」はリトリーバルツール開発・モデル研究・解析にあたる要員、「その他」は国内での成果公表および論文出版に要する経費に当てている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の活動は、COVID-19の影響を受けて引き続き波乱に満ちたものとなった。「現在までの進捗状況」で述べたように、欧州側の作業遅延、および海外での活動を伴う地上観測活動を中核に、以下の作業が2021年度にずれこむ結果となった。(1)欧ExoMars TGOデータ校正と同期するリ トリーバルツール開発、(2)米と連携する米MAVEN探査機熱圏-中間圏データ解析、(3)東北大ハレアカラ 望遠鏡等の整備・観測。 すでに2022年度頭だが、2021年度は上記成果と連動する形で作業を加速し、以下の活動それぞれで成果を論文として公表し、以下諸活動の継続・発展を行ってきた。年度末には概ね当初予定した線に到達している。 (A) 探査機による対流圏・中間圏大気の鉛直構造観測: 新リトリーバルツール開発、MEX・OMEGA等のリム観測データ群による解明、およびTGO観測適用検討とMMX計画への展開。 (B) 探査機による熱圏・外圏大気の鉛直構造観測: 熱圏大気波動の振幅分布、均質圏界面高度、高高度エアロゾルの分布等の変動・緯度依存性の比較評価。 (C) 地上・航空機望遠鏡による全球水平構造観測: 下部熱圏の2018全球ダストストーム擾乱を論文化。および2022年度の火星観測幸適期も視野に入れた観測機器整備。(D) 対流圏-中間圏および熱圏-外圏鉛直結合モデルによる現大気環境の変動機構と古環境再現を目指すモデルの継続開発。また過去表層環境の痕跡につながりうるRSL(水漏出を思わせる地形) をMRO探査機による地下探査研究を軸にまとめるとともに、検討着手された国際火星浅地下探査計画検討にもつなげる。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] Zonal wind acceleration in the Martian mesosphere during the global dust storm 2018 observed by IR heterodyne spectroscopy2020
Author(s)
A. Miyamoto, H. Nakagawa, T. Kuroda, K. Takami, I. Murata, Nao Yoshida, K. Toriumi, S. Aoki, H. Sagawa, N.M. Schneider, S. Jain, Y. Kasaba, N. Terada.
Organizer
JpGU - AGU Joint Meeting 2020
Int'l Joint Research
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[Presentation] 東北大の太陽系地上観測施設、その現況: ハレアカラ観測施設2020
Author(s)
笠羽康正, 坂野井健, 鍵谷将人, 平原靖大, 栗田光樹夫, 秋山正幸, 中川広務, 大友 綾, 小原隆弘, 岡野章一, J. Khun
Organizer
JpGU - AGU Joint Meeting 2020
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[Presentation] Intense zonal wind in the Martian mesosphere during the 2018 planet-encircling dust event observed by IR heterodyne spectroscopy2020
Author(s)
宮本明歩, 中川広務, 黒田剛史, 高見康介, 村田功, 吉田奈央, 鳥海克成, 青木翔平, 佐川英夫, 笠羽康正, 寺田直樹
Organizer
地球電磁気・地球惑星圏学会 第148回総会・講演会
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