2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of high capacity superconducting DC power cable using longitudinal magnetic field effect
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19H00771
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田部 荘司 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30231236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 勝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (90304758)
倪 宝栄 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10248536)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超伝導 / 縦磁界効果 / 電力ケーブル |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は縦磁界効果を利用した超伝導電力ケーブルの(1)設計および(2)その製作と試験について検討した。 (1)超伝導電力ケーブルの設計 従来型の超伝導電力ケーブルでは、軸方向に発生する磁界をできるだけ小さくするために、各層で巻き方を交互に入れ替えている。それに対して縦磁界効果を利用した超伝導電力ケーブルにおいては、同じ方向に少しずつ巻き角度を変えていき、ケーブルの軸方向の磁界を大きくし、電流と磁界の方向がほぼ同じになるようにする。これを設計するために繰り返し近似法を用いる。まずケーブルの各層に電流を均一に通電したとする。その時に各層に発生する磁界の大きさと向きを計算する。流せる最大の電流である臨界電流は磁界の大きさと向きに依存していて、電流と磁界が平行に近くなってくると、磁界下においても臨界電流は減衰しにくくなる。こうして磁界下における臨界電流を計算する。そしてこの臨界電流が各層で流れていると仮定して、ふたたび磁界の計算を行なう。これを繰り返すことにより、無矛盾で各層に流れる電流と磁界の大きさと向きを知ることができる。その結果、10000アンペアを通電できる超伝導電力ケーブルは内直径が40mm程度で、行きと帰りがそれぞれ2層で合計4層の構造で実現できることが分かった。 (2)製作と試験 設計した超伝導電力ケーブルを製作するのに国内の数社の主だった企業に連絡をして交渉をしたが、残念ながら共同研究をすることができなかった。そこで、国際会議などで知り合った中国とロシアの研究機関の研究者と連携し、海外で製作することとした。この交渉のためにかなり時間がかかった。また大学から海外との企業と連携する際に事務手続きがまだ道筋がついておらず、事務と綿密に協力して海外との連携を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた国内の数社の企業と個別に協議したが共同研究を結ぶことができず、海外の企業と連携することとなった。そのために事務手続きが煩雑となり、事務と綿密に連携して手続きの道筋をつけるまでにかなりかかった。一方で、超伝導電力ケーブルの設計の研究は順調に進めることができて、はっきりとした設計図を出す事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
中国およびロシアの経験の豊富な研究グループと共同研究することができたので、九州工業大学グループが設計した超伝導電力ケーブルを製作および試験をしてもらう。次期が若干遅れたかもしれないが、2020年度には取り戻すことができると考えている。
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Research Products
(5 results)