2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study of high capacity superconducting DC power cable using longitudinal magnetic field effect
Project/Area Number |
19H00771
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田部 荘司 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30231236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倪 宝栄 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10248536)
木内 勝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (90304758)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超伝導 / 縦磁界効果 / 電力ケーブル |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 10kAを越える通電容量をもつ超伝導電力ケーブルの製作と試験 中国の中国南方電網、上海超電導、中天科技の3つの研究機関と共同研究を行なうことで、10kAを越える大電流通電が可能な超伝導電力ケーブルの製作と試験をおこなった。試験は従来設計型と縦磁界効果を利用した2つの超伝導電力ケーブルを製作し、それぞれ四端子測定法を用いて臨界電流特性を評価した。外直径は42mmであり、長さは2mである。その結果、通電特性は設計値と2%程度の違いしか無く、正確に設計および製作ができることが分かった。また縦磁界効果を利用したケーブルは18%も臨界電流が高く、テープ線材1本あたりに換算しても8.8%多くの電流を通電できていることが確認できた。また全体としては超伝導電力ケーブルは13.1kAの通電に成功し、その時従来型は11.1kAであった。このように縦磁界効果を利用したケーブルの優位性を示すと共に、10kAを越える通電が可能な超伝導電力ケーブルの試作に成功した。
(2) 外直径20mmの小型超伝導電力ケーブルの製作と試験 上記の超伝導電力ケーブルの外径は42mmであり大電流を通電することができるが、曲げ半径が大きい問題点がある。たとえば航空機内で使う電力ケーブルを想定すると電流容量は2--3kAでよくて、外直径が小さく、曲げる半径が小さい方がよい。そこでロシアのAll-Russian Scientific Research and Development Cable Instituteと共同研究で外直径が20mmである小型を製作し、試験を行なった。この研究機関ではこれまで外直径が20mm程度の通常の設計の超伝導電力ケーブルを試作しており、それと対比することで製作コストを下げた。その結果従来ケーブルよりも2%通電電流が大きくなることを確認した。これは設計値と同じである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では4年で10kAを越える縦磁界効果を利用した超伝導電力ケーブルを作ることを目標としていたが、2年目でその目標は達成することができた。さらに小型の超伝導電力ケーブルを試作し、従来型の超伝導電力ケーブルより少ししか縦磁界効果により電流容量が向上しなかったが、きちんと設計通りの性能が発揮できることを確認できた。
一方で、超伝導線材の性能が十分でないために縦磁界効果による電流容量の向上の割合が小さい。この問題をどのようにするのか解決する必要がある。また当初の計画には無かったが直流電流だけでなく、交流電流を通電して交流損失がどのようになるのかを明らかにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
外径が40mmを越える縦磁界効果を利用した超伝導電力ケーブルでは目標の10kAを大幅に越える13.1kAを通電することに成功したが、従来型の超伝導電力ケーブルに比べて18%しか電流容量は向上していない。したがって、さらに向上率を高めるためにはどのようなことをすればいいのかを明らかにしたい。
また当初の計画にはなかったが、直流電流だけでなく、交流電流を通電して交流損失がどのようになるのかを明らかにしたい。
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