2021 Fiscal Year Annual Research Report
コアレス地盤調査法の開発とデジタル地盤工学への挑戦
Project/Area Number |
19H00787
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
水谷 崇亮 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (70371763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 圭太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 研究官 (00827347)
小林 泰三 立命館大学, 理工学部, 教授 (10380578)
松村 聡 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (20748305)
小濱 英司 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (80371764)
近藤 明彦 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (80755893)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地盤の微視構造 / X線CTスキャン / ボーリング・サンプリング / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,原位置地盤内でコア(地盤試料)をX線CTスキャンする「原位置デジタルサンプリング法」の開発と,得られたCT画像をもとに地盤の工学特性を評価する一連の解析手法および土質試験法の確立をめざしている。昨年2020年度には,礫材で作製された模型地盤を対象として掘削実験を実施し,開発した掘削マシンの作業手順や掘削性能を確認した。その結果,サンプリングチューブ先端の閉塞や,掘削マシンの回転掘削刃に過度な鉛直力が作用し回転不能になるといった課題が確認された。 上記の課題を踏まえて,本年度には礫材のサンプリングに有効なサンプリングチューブの開発と,掘削マシンの回転掘削刃に作用する鉛直力の低減を目的とした掘削刃・ケーシング等の改良を行った。新たなサンプリングチューブを使用した掘削実験は次年度(2022年度)に実施予定であるが,改良された掘削マシンによる掘削実験を実施したところ,上記の課題が解決され,所定の掘削深度まで難なく掘削できることを確認した。さらに,既に開発済みであった小型X線CTスキャナを掘削マシンに搭載し,同模型地盤を対象として,掘削から地中でのX線CT撮影まで一連の実験を実施した。実験の結果,小型X線CTスキャナを搭載した状態で所定の深度まで掘削できること,同深度においてX線CT撮影ができること,さらに撮影後に掘削を再開し掘削と撮影の手順を繰り返し実施できることを確認した。また,各深度で得られた透過画像から断層画像を再構成し,サンプリングチューブ内にあるコアの粒子形状や粒子配列などがうまく撮影されていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年2020年度に実施した実験においていくつかの課題が確認され,その改善に時間を要したが,今年度までに実施した各種装置の改良及び模型実験においてそれらの課題が解消された。今年度の実験結果より,本研究で目標とする原位置デジタルサンプリング法の方法論を確立できたと言え,本研究の最終目標や最終年度の実証試験に対して本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終2022年度には,これまでに開発した一連の装置や解析技術を使って,より実地盤に近い条件の地盤を対象とした実証実験を実施する予定である。屋外の実地盤では天候による影響や地盤の不確実性など課題が多く,作業性も悪いため,引き続き屋内の模型地盤を対象とした実験を予定している。ただし,これまでの均質な礫材ではなく,砂を一部混合する,粘着力を持つなど実地盤により近い条件の模型地盤を対象として実験を実施する予定である。
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