2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Comprehensive Analysis Method of Single-Molecule Chemical Reactions
Project/Area Number |
19H00852
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 正輝 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40362628)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 1分子化学反応 / 1分子科学 / 1分子解析法 / 機械学習 / マルチフィジックス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、開発したナノギャップ電極、ナノ流路、および電気泳動電極を融合させたナノ構造を用いて、反応物をナノギャップ電極間に効率的に輸送するナノデバイスの開発を行なった。開発したデバイスを用いて、電気泳動力に加え、電気浸透流、温度勾配、およびイオン濃度勾配を用いて、ナノ空間内で分子輸送する流動ダイナミクスを実験的に調べた。特に、小さなエネルギーの駆動力はブラウン運動との競争により、反応物間の低い衝突確率が予測されるため、高い方向指向性を持つ駆動力の最適化条件を探索した。一方、分子輸送の駆動力に起因する電流ノイズは、量子力学的なトンネル電流とは原理的に干渉しないものの、計測で得られる電流ノイズの原因となるため、トンネル電流だけを抽出する解析法として、1分子電気伝導度を量子ゲートで記述する手法を開発した。昨年度、グアニン分子の1分子電気伝導度を量子ゲートで記述することで、トンネル電流成分のみを抽出し、量子コンピュータで計算することに成功した。本手法を、反応物と生成物の1分子識別に成功したグアニンとアセトアルデヒドの化学反応に適用し、量子ゲート法による解析を行った。この解析は、1分子間の相互作用の多様性解析が重要であることを示唆した。1分子間相互作用を1分子計測法で調べるため、塩基分子をゲスト、塩基認識分子をホストとするホスト―ゲスト相互作用を調べた。塩基分子、塩基認識分子、およびホスト-ゲスト会合体の1分子電気伝導度を計測し、1分子電気伝導度―時間波形の機械学習を行った。ホスト―ゲスト会合体計測で得られた1分子電気伝導度―時間波形をクラスタリングした結果、会合構造が、ゲスト種に依存し、複数の会合構造が存在することが示唆された。また、機械学習と量子化学計算で得られた会合体構造には、当初予測できなかった構造が含まれることを明らかにした。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)