2019 Fiscal Year Annual Research Report
Water Oxidation on Semiconductor Photocatalysts: How Completed under Dilute Photon Flux
Project/Area Number |
19H00915
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大西 洋 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20213803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 康博 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (00282038)
高橋 康史 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (90624841)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 反応速度論 / 化学反応 / 人工光合成 / 酸素生成反応 / 電子励起状態 / 水分解 / マイクロ電極 / 走査型電気化学顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界最高の量子収率で水を完全分解する半導体光触媒(NaTaO3とSrTiO3)は希薄な励起光フラックスのもとで水を酸素に変換する4電子酸化反応を完了する。この反応の中間体化学種は半導体光触媒の表面に生成して自由な水に曝されるにもかかわらず失活せずに酸化反応を完了できるのはなぜだろうか? この問いに答えるために、光触媒と水の界面に生成する中間体と最終生成物(溶存酸素)の生成消滅を1 msの時間分解能で追跡する計測法を構築し、紫外LED光のもとで進行する逐次物質変換を速度論的に解析する。異なる金属元素から構成される二つの光触媒(NaTaO3とSrTiO3)による反応メカニズムから共通点を抽出し、長寿命かつ反応活性な中間体をデザインするための普遍的なコンセプトの提案をめざす。 3年計画の初年次となる2019年度は以下(1)-(3)に示す計測法の構築に注力した。(1)水中においた光触媒微粒子に紫外光と赤外光を同時照射して電子励起状態の赤外吸収を測定する分光器の整備(2)光触媒から水中に放出される酸素をマイクロ電極を使って高速検出した結果を定量的に解析するための酸素拡散数値シミュレーションの構築(3)電子スピン共鳴と可視光領域の過渡吸収を同時計測するための試料セルの整備 これら計測法の構築に加えて、汎用測定機器と放射光施設(Photon FactoryおよびSPring-8)を利用して、NaTaO3およびSrTiO3光触媒にドーピングした金属カチオンの局所構造解析を進め、査読付き原著論文3件を国際学術誌に上梓し、15件の学会発表をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度に赤外光検出器に不測の故障が生じたため年次計画を6ヶ月延長せざるを得なくなった。2020年度にはCOVID-19のため大学施設の使用制限が発令されたため、最終的には12ヶ月延長して2021年3月まで合計24ヶ月を使って当初計画の内容を完了することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
機器故障とCOVID-19対応のために24ヶ月を要したものの当初計画内容を達成することができた。2020年度の当初計画内容は、2019年度分と同時並行に実施して、ほぼ計画どおりに進捗した。3年計画の最終年度となる2022年度は当初計画どおりの進展をめざす。
|
Research Products
(27 results)