2020 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膜タンパク質を標的とした中分子構造創薬研究の基盤構築
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19H00923
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 想 京都大学, 医学研究科, 教授 (60452330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 紀通 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10314246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膜タンパク質 / 創薬ターゲット / 中分子ペプチド / ファージディスプレイ / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡単粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん、高血圧、慢性炎症など種々の疾病に対する医薬品の分子標的の多くは膜タンパク質である。その構造解析の難度は依然として高いため、現時点で構造べースの創薬研究の進展は限定的である。これまで申請者は膜タンパク質に抗体フラグメントを結合させて結晶化を促進するという独自技術を開発し、X線結晶構造解析を推進してきた。本研究では、膜タンパク質の機能を制御する中分子アプタマーの創出とその構造学的検証に有用な新しい方法論の確立を目指している。 本年度は立体的束縛を有する安定なペプチド分子骨格 (50-90残基) を基盤として複数の末端ループの配列と長さを多様化した合成ライブラリーを作製した。 具体的には分子内に多数のジスルフィド結合が架橋され強い立体的束縛のある安定な中分子ペプチド骨格をベースとして、その末端ループの配列と長さを多様化した中分子母集団を人工合成し、ファージディスプレイ系ライブラリーを作製した。病原ウイルス感染のエントリーレセプターとして機能するヒト膜タンパク質Aやがんの転移能獲得・悪性化進展に関与するヒト膜タンパク質B等の複数の創薬標的膜タンパク質について,(1) 界面活性剤ミセルに覆われた状態の精製試料,(2)脂質ナノディスクに再構成した状態の試料等を作り、さらにパニングにおいて独自技術を導入することによって、これらの膜タンパク質ターゲットに対して特異的に認識し結合するファージ集団を4-12サイクル程度の選抜を経て取得した。選抜過程でのファージ集団の優占度の遷移をシーケンス解析にて評価した。 膜タンパク質/中分子ペプチド複合体を精製し、それを抗原として用いて結晶化促進ツールとしての構造認識抗体を作製した。Fab抗体断片の添加により、 膜タンパク質/中分子ペプチド/Fabの三者複合体の精製品を調製し、クライオ電子顕微鏡単粒子解析の予備検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立体的束縛を有する安定なペプチド分子骨格 (50-90残基) を基盤として複数の末端ループの配列と長さを多様化した合成ライブラリーを実際に作製して、異なる複数の膜タンパク質ターゲットに対して中分子バインダーを取得し、それらについてクライオ電子顕微鏡単粒子解析法により結合様式を明らかにするための実験に進んでいるので、本年度の目標は概ね達成できていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
膜タンパク質/中分子ペプチド複合体を精製し、それを抗原として用いて結晶化促進ツールとしての構造認識抗体を作製する。Fab抗体断片の添加により、 膜タンパク質/中分子ペプチド/Fabの三者複合体の精製品を調製し、この試料を用いてクライオ電子顕微鏡単粒子解析による構造解析を実施する。これと並行して、当該複合体試料を用いて脂質キュービック相結晶化法により結晶を作製後、放射光マイクロフォーカス ビームにより回折データを収集する。膜タンパク質/中分子ペプチド/Fab複合体の立体構造(分解能2.5-3Å)を決定する。中分子ペプチドのファーマコフォア同定を経て、作用機序の構造学的基盤を解明する。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Endogenous agonist-bound S1PR3 structure reveals determinants of G protein-subtype bias2021
Author(s)
Maeda S, Shiimura Y, Asada H, Hirata K, Luo F, Nango E, Tanaka N, Toyomoto M, Inoue A, Aoki J, *Iwata S and *Hagiwara M.
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Journal Title
Science Advances
Volume: 未定
Pages: 未定
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The structure of MgtE in the absence of magnesium provides new insights into channel gating.2021
Author(s)
Jin F, Sun M, Fujii T, Yamada Y, Wang J, Maturana AD, Wada M, Su S, Ma J, Takeda H, Kusakizako T, Tomita A, Nakada-Nakura Y, Liu K, Uemura T, Nomura Y, Nomura N, Ito K, Nureki O, Namba K, Iwata S, Yu Y, Hattori M.
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Journal Title
PLoS Biology
Volume: 19
Pages: e3001232
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Structural insights into tetraspanin CD9 function2020
Author(s)
Umeda Rie、Satouh Yuhkoh、Takemoto Mizuki、Nakada-Nakura Yoshiko、Liu Kehong、Yokoyama Takeshi、Shirouzu Mikako、Iwata So、Nomura Norimichi、Sato Ken、Ikawa Masahito、Nishizawa Tomohiro、Nureki Osamu
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 11
Pages: 1606
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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