2021 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膜タンパク質を標的とした中分子構造創薬研究の基盤構築
Project/Area Number |
19H00923
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 想 京都大学, 医学研究科, 教授 (60452330)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 紀通 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10314246)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 膜タンパク質 / 創薬ターゲット / 中分子ペプチド / ファージディスプレイ / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡単粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん、高血圧、慢性炎症、ウイルス感染症など種々の疾病に対する医薬品の分子標的の多くは膜タンパク質である。その構造解析の難度は依然として高いため、現時点で構造べースの創薬研究の進展は限定的である。本研究では、膜タンパク質の機能を制御する中分子アプタマーの創出とその構造学的検証に有用な新しい方法論の確立を目指している。 本年度は、肝炎ウイルス細胞侵入のエントリーレセプターであるヒト膜タンパク質Aに結合し、ウイルスの侵入を阻害する活性をもつ中分子ペプチドの結合様式を解明するため、クライオ電子顕微鏡構造研究を進めた。膜タンパク質A/中分子ペプチド複合体を精製し、それを抗原として用いて電子顕微鏡単粒子解析画像マーカーとしての構造認識抗体を作製した。当該抗体のFabフラグメントの添加により、 膜タンパク質A/中分子ペプチド/Fabの三者複合体の精製品を調製し、クライオ電子顕微鏡単粒子解析を実施した。中分子ペプチドの結合に関与する膜タンパク質Aのドメインおよび残基を特定することができた。さらに高解像度の複合体構造情報を得るため、電子顕微鏡構造解析用のグリッド作製条件や測定条件等の最適化を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝炎ウイルス細胞侵入のエントリーレセプターであるヒト膜タンパク質Aに結合し、ウイルスの侵入を阻害する活性をもつ中分子ペプチドを用いてクライオ電子顕微鏡単粒子解析法により結合様式を明らかにするための実験に進んでいるので、本年度の目標は概ね達成できていると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
膜タンパク質A/中分子ペプチド/Fab複合体の立体構造(分解能3-3.5Å)を決定する。中分子ペプチドのファーマコフォア同定を経て、作用機序の構造学的基盤を解明する。 さらに、立体的束縛を有する安定なペプチド分子骨格 (50-90残基) を基盤として複数の末端ループの配列と長さを多様化した合成ライブラリーを作製して、異なる複数の膜タンパク質ターゲットに対して中分子バインダーを取得し、それらについてクライオ電子顕微鏡単粒子解析法により結合様式を明らかにする。
|
Research Products
(23 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] The structural basis of bacterial manganese import2021
Author(s)
Neville Stephanie L.、Sj?hamn Jennie、Watts Jacinta A.、MacDermott-Opeskin Hugo、Fairweather Stephen J.、Ganio Katherine、Carey Hulyer Alex、McGrath Aaron P.、Hayes Andrew J.、Malcolm Tess R.、Davies Mark R.、Nomura Norimichi、Iwata So、O’Mara Megan L.、Maher Megan J.、McDevitt Christopher A.
-
Journal Title
Science Advances
Volume: 7
Pages: eabg3980
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-