2021 Fiscal Year Annual Research Report
病態に直結するT細胞レパトアの制御を目指した、新たな免疫制御機構の同定と解析
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19H01051
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 勇人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40398615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 智憲 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (40424163)
舩越 建 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80365353)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デスモグレイン3 / 免疫寛容 / コレステロール代謝 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫寛容機構の解明は自己免疫疾患の制御に役立つだけでなく、免疫寛容機構が障害となっているがん免疫療法の強化に直結する。本研究計画では、その分子機構を解明することを目的としている。 1)末梢性免疫寛容機構の同定 昨年度までに、自己反応性T細胞を野生型マウスに二回投与すると二回目投与時にはマウス内の免疫寛容機構により自己反応性T細胞は即時に消滅することを示してきた。初回投与後に免疫細胞を除去する各種抗体を用い、この即時消滅の機構はCDA陽性CDB陰性CDC陰性細胞依存的であることがわかった。その単細胞RNA-seqから、CDA陽性CDB陰性CDC陰性のLyz1陽性マクロファージの分画が4つに分かれ、そのうち、分子Mを高発現する集団が同定され、この現象と関連する可能性が示唆された。さらに、即時消滅の経時的観察を行うため、末梢血の免疫細胞の解析を行なった結果、移入されたT細胞が宿主由来細胞と結合している様子が、FACSで観察された。これらを単離した結果、二つの細胞が確かに会合しており、その境界部にT細胞受容体とMHC class II分子が濃縮して観察された。以上の結果から、二つの細胞の会合は抗原特異的な事象である可能性が示唆された。 2)コレステロール代謝の腫瘍免疫における役割の解明 本テーマでは、コレステロールの代謝に関連する分子Yが腫瘍免疫に対して負の働きを示すことを証明して行く。昨年度までに、実際に腫瘍細胞をマウス皮下に接種し、免疫チェックポイント阻害療法を施した場合に、分子Yを欠損させると抗腫瘍免疫が増強することを示した。さらに分子Yのレポーターマウスを用いた解析から、腫瘍免疫において分子Yを発現する免疫細胞の種類を明らかにした。細胞種ごとにKOさせたコンディショナルKOマウスを用いた実験では、期待通り、抗腫瘍免疫が増強した結果を得、腫瘍体積の減少をcKOマウスで観察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに進行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
二つのテーマについて、それぞれ下記のような方針で研究を推進していく。 1)末梢性免疫寛容機構の同定 自己反応性T細胞を野生型マウスに投与し消滅する実験系において、2回目投与時に観察されるT細胞と宿主免疫細胞との会合が重要であると考えられる。そこで、会合する免疫細胞を明らかにしていく。また、CDA陽性CDB陰性CDC陰性細胞がT細胞の即時消滅に重要であるため、この細胞集団の個体間の移動により即時消滅の記憶も移動できるか検証をしていく予定である。 2)コレステロール代謝の腫瘍免疫における役割の解明 分子Yの疾患制御が病院的T細胞のレパトアの変化を伴う事象かどうかを検証する予定である。また、ヒト疾患のデーターベースを用いて、分子Yの重要性を明らかにしていく。 以上のような方針で、本研究計画全体の目標の達成に向かって、効率良く研究を進めていく。
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Research Products
(8 results)