2019 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん原性病巣の病態機序と制御:外科標本のイメージングプラクティス
Project/Area Number |
19H01061
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80281012)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田井中 一貴 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80506113)
北浦 弘樹 新潟大学, 脳研究所, 特任准教授 (80401769)
藤井 幸彦 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40283014)
前原 健寿 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40211560)
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (90212761)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | てんかん / 脳機能外科 / 神経病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかん焦点では、どのように異常な神経興奮が惹起され伝播するのか?この命題はいわば、臨床てんかん学における古典的かつ本質的命題である。本研究では、この命題に対する明確な‘解’を提供し、難治てんかん患者に対する新たな外科的/内科的治療戦略を開発することを目的とする。研究戦略の柱は、外科的に切除されたてんかん焦点脳組織を対象に行う “生鮮脳スライスを用いた生理学的解析” と “脳組織の3次元的病理解析” である。ここから時空間的興奮動態の特徴を捉え、薬理作用を検証し、神経細胞やグリア細胞のネットワーク基盤を明らかにする。つまり、最新鋭の解析技術で機能と形態を統合するイメージング・プラクティスである。 当該年度は、本研究戦略の柱である (1) 機能解析:“ヒト生鮮脳スライスを用いた生理学的解析” と (2) 形態解析:“ヒト脳組織の3次元的病理解析” の方法論を確立した。すなわち、機能解析方法については、以下の実験系を確立した。難治てんかん患者から外科手術により摘出された生鮮脳組織を用い、これらのスライス標本を人工脳脊髄液中で長時間培養し、フラビン蛍光イメージングと細胞外電場電位測定を行い、神経興奮の時空間的伝播特性を解析し、発作起始部を同定することに成功した。対照として、てんかんの既往がなく脳深部にある腫瘍摘出のために最小限切除された生鮮大脳皮質を用い、同様の方法で神経興奮の伝播を観察した。また、形態解析においては、ヒトを含む哺乳類の脳組織を透明化する技術の開発を進めた。その結果、ヒト脳組織透明化における最大の光学的課題:自家蛍光および褐変、の克服に成功し、これらを高度に抑制する透明化プロトコールを開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における研究戦略の柱は、外科的に切除されたてんかん焦点脳組織を対象に行う “生鮮脳スライスを用いた生理学的解析” と “脳組織の3次元的病理解析” である。この両者において、予定していた方法論の確立に成功し、安定した解析結果が得られる状況となった。これらの実績を踏まえ、次年度に予定している研究内容を進めることが可能となった。そのため、現在までの進捗状況として、おおむね順調に進展している、と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、外科的に切除されたてんかん焦点脳組織を対象に行う “生鮮脳スライスを用いた生理学的解析” と “脳組織の3次元的病理解析” を進め、ここから時空間的興奮動態の特徴を捉え、薬理作用を検証し、神経細胞やグリア細胞のネットワーク基盤を明らかにしようとするものである。これまでの研究結果を踏まえ、以下の計画を進める。 (1) 機能解析:“ヒト生鮮脳スライスを用いた生理学的解析” 難治てんかん患者から外科手術により摘出された生鮮脳組織を用い、これらのスライス標本を人工脳脊髄液中で長時間培養し、共焦点イメージングにより、単一細胞解像度の神経興奮活動を可視化する。つまり (a) マクロレベル解析:脳スライス内でてんかん様自発神経活動が発生する領域を特定し、次いでそのスライスを共焦点顕微鏡上の記録チャンバーに移し、(b) ミクロレベル解析:特定された発火領域に着目し、カルシウム蛍光指示薬を用いた高速ミクロイメージングを施行し、同期性自発発火活動を示す神経細胞群を描出する。 (2) 形態解析:“ヒト脳組織の3次元的病理解析” ひと脳組織を用い、透明化組織における各種一般染色とホールマウント免疫染色技術を確立する。 上記の計画を進め、最新鋭の解析技術で機能と形態を統合するイメージング・プラクティスを進める。
|
-
-
-
[Journal Article] Versatile whole-organ/body staining and imaging based on electrolyte-gel properties of biological tissues.2020
Author(s)
Susaki EA, Shimizu C, Kuno A, Tainaka K, Li X, Nishi K, Morishima K, Ono H, Oda KL, Saeki Y, Miyamichi K, Isa K, Yokoyama C, Kitaura H, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Saito T, Saido TC, Fukayama M, Onoe H, Touhara K, Isa T, Kakita A, Shibayama M, Ueda HR.
-
Journal Title
Nat Commun
Volume: 11
Pages: 1982
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
[Journal Article] Multiplex ligation-dependent probe amplification analysis is useful for detecting a copy number gain of the FGFR1 tyrosine kinase domain in dysembryoplastic neuroepithelial tumors.2019
Author(s)
Matsumura N, Nobusawa S, Ito J, Kakita A, Suzuki H, Fujii Y, Fukuda M, Iwasaki M, Nakasato N, Yominaga T, Natsume A, Mikami Y, Shinojima N, Yamazaki T, Nakazato Y, Hirato J, Yokoo H.
-
Journal Title
J Neurooncol
Volume: 143
Pages: 27-33
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-