2020 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格ダイナミクスに基づく分子輸送制御システムの解明と革新的癌創薬への新展開
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19H01064
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡部 昌実 岡山大学, 大学病院, 教授 (70444677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 鵬 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 研究准教授 (00610841)
那須 保友 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20237572)
定平 卓也 岡山大学, 大学病院, 助教 (20733322)
竹田 哲也 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30302368)
竹居 孝二 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40322226)
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
山田 浩司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80325092)
落合 和彦 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (30550488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Dynamin / microtubule / 間葉系幹細胞 / 細胞内輸送 / in vivo投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常細胞を用いた研究では、特に糸球体足細胞におけるDynaminと微小管の関係について、新しい知見を得ることに成功した。各種癌細胞を入手すると同時に、より普遍性の高い研究を遂行するため、独自の間葉系幹細胞を樹立した。幹細胞に関する研究として、各種の幹細胞について表現型解析等を実施し、癌細胞と比較する形で今後のDynamin-微小管の動態解析に供する方向性とした。昨年度に引き続き、各種癌細胞において、細胞骨格因子が関わる細胞内分子輸送システムに重要と考えられるタンパク質群の発現を網羅的に解析した。特に、REIC/Dkk-3、SGTA、Tctex-1、Dyneinモーター、Dynaminおよびその他の細胞骨格(制御)因子に着目して、それら関連分子を含め発現を解析した。一部のタンパク質においてはその発現を認めず、免疫組織学的な解析を行うべく準備を進めた。これまでの男性ホルモンレセプターの核内移行に基づく実験系に加え、糖質コルチコイドレセプターの核内移行に基づく表現型解析系を立ち上げた。Dynaminの細胞内発現量に基づく糖質コルチコイドシグナル動態について解析を行い、細胞内分子輸送システムの観点から各種細胞骨格因子について機能解析を行った。また癌創薬の観点から複数のDynamin阻害物質に関する各種細胞を用いた検討を行い、一方で、試験薬のin vivo投与での作用機序解明に係る各種動物実験の解析系の立ち上げを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度より癌細胞を用いた研究と並行して実施していた正常細胞を用いた研究では、特に糸球体足細胞におけるDynaminと微小管の関係についての新しい知見を得た。また前年度に引き続き、各種ヒト細胞において、本研究のKeyとなる細胞骨格制御タンパク質:Dynaminの解析の軸として研究を進めた。幹細胞に関する研究として、多能性幹細胞と組織特異的幹細胞についての表現型解析等を実施し、癌細胞と比較する形で今後のDynamin-微小管の動態解析に供する方向性とした。一方で細胞内における分子輸送の観点から、これまでのステロイドホルモンレセプターの核内移行に基づく実験系について検証実験を行うと共に、糖質コルチコイドレセプターの核内移行に基づく表現型解析系を確立しつつある。特に、Dynaminの細胞内発現量に基づく糖質コルチコイドシグナル動態について解析を行い、細胞内分子輸送システムの観点から各種細胞骨格因子について機能解析を行った。試験薬のIn vivo投与による作用機序解明に係る薬剤投与系および各種動物実験による薬効評価系の立ち上げについては、引き続きこれを実施した。癌創薬の観点から特にDynamin阻害薬を候補薬とした解析系として、内視鏡下に当該試験薬を生体内投与する新しい投与技術の確立に取り組んだ。これらの成果により、本研究は、おおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、前立腺癌、胃癌、膀胱癌等の各種の癌細胞、また間葉系幹細胞等の各種幹細胞において、Actin線維-微小管細胞骨格制御に必須のタンパク質:Dynaminの制御に関するREIC/Dkk-3タンパク質および関連タンパク質の機能を解析する。我々は既にDynaminによるActin線維への作用について、活性型Dynaminの集合体から成るDynaminリングによりActin線維が集束されることを明らかにしている。一方で、Dyneinモーターによる細胞維持必須分子の微小管輸送のトラックに細胞骨格が利用されることが知られている。現時点での仮説として、REIC/Dkk-3関連タンパク質が、DynaminのGTPアーゼとしての機能と通してActin線維-微小管細胞骨格ダイナミクスによりDyneinモーターを制御し、結果として各種シグナル分子等の微小管輸送に重要な役割を果たすことが挙げられる。これらの観点からの細胞生物学的解析を継続する。また、癌創薬を含む低分子創薬における候補となる試験薬のin vivo投与での作用機序解明・効果定量に係る動物実験解析系を複数確立する。 一方で本年度までに、Dynamin阻害薬等の創薬候補となる試験薬を速やかに同定し、局所治療薬としての治療有効性を再現性の高い形で解析するための独自の薬剤投与法を見出した。来年度は、癌治療薬等を用いた当該薬剤投与法の確立に向けた研究を実施する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Dynamin 1 is important for microtubule organization and stabilization in glomerular podocytes.2020
Author(s)
La TM, Tachibana H, Li SA, Abe T, Seiriki S, Nagaoka H, Takashima E, Takeda T, Ogawa D, Makino SI, Asanuma K, Watanabe M, Tian X, Ishibe S, Sakane A, Sasaki T, Wada J, Takei K, Yamada H.
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Journal Title
FASEB J
Volume: 34(12)
Pages: 16449-16463
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research