2020 Fiscal Year Annual Research Report
複合国家性に留意する近代イギリス思想史研究─遠心力と求心力の統御の観点から─
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19H01202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹澤 祐丈 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (60362571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 淳 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70201944)
桑島 秀樹 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30379896)
木村 俊道 九州大学, 法学研究院, 教授 (80305408)
森 直人 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (20467856)
佐藤 一進 神戸学院大学, 法学部, 准教授 (00554312)
武井 敬亮 福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複合国家 / アイルランド / ポーコック / 歴史叙述 / イングランド / スコットランド / 思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナ・ウィルスの蔓延による海外渡航制限や国内移動制限の解除・緩和の時期が不明なことから、各自が文献分析を中心とする研究活動を行ない、状況が許せば、海外での資料調査や意見交換を行う予定であった。また活動内容としては、昨年に引き続き、複合国家イギリス内部の各地域の統合に関する同時代的議論の相互関係とその処方箋の諸相の分析(横軸の解明) を行った。 竹澤と木村は、昨年度に引き続き、17世紀前半の統合思想─アイルランド統治の諸問題とイングランドの処方箋の諸相─の分析を行った。岩井は、複合国家イギリスの地域的連鎖と統合の範型としてのウェールズ統合問題を分析した。桑島は、バークの視点からみたイギリス観・ヨーロッパ観を再考した。森は昨年度に引き続き、フレッチャーとヒュームをめぐる文献収集と考察、ならびに国内統治と国際政治に関する「商業社会のリヴァイアサン」という仮説的な枠組みを構想した。佐藤は、バークのアイルランドに関する言説(さしあたり「カトリック刑罰法論」)における「節理」の概念の位置づけに関する通時的かつ共時的な比較検討を行った。武井は、複合国家ブリテンを構成するイングランドとアイルランドの関係について、アイルランドの思想家モリヌーが描き出す歴史的事例に注目しながら、契約論的な観点からの統合の可能性をアイルランド側から検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ・ウィルスまん延のため、国内外の図書館などにおける資料収集や、海外研究者との意見交換の機会が延期ないし制限されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外図書館で閲覧・収集する予定の図書や史料については、可能な限り、複写依頼などで入手するように努める。また海外研究者との意見交換は、相手方の事情や要望を踏まえつつ、Zoomなどの代替手段を利用したい。 さらに、出版が遅延している図書は、それに代わるものがないかどうかや、同一著者による既発表の論文の利用も検討したい。
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