2019 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental Research for the Construction of Confucian Art History: Structural Interpretation of East Asian cultural Area and Academic Resources Enlargement
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19H01211
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 裕史 筑波大学, 芸術系, 助教 (50617024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 正彦 筑波大学, 芸術系, 名誉教授 (90272187)
鷲頭 桂 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (90590448)
林 みちこ 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40805181)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00416265)
勝木 言一郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 室長 (50249918)
楢山 満照 早稲田大学, 文学学術院, 講師(任期付) (30453997)
秋山 学 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80231843)
井川 義次 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50315454)
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 儒教美術史 / 帝王学 / 孔子図 / 三教図 / 帝鑑図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、新たな「儒教美術史」という領域を提唱することを目的とする。そのために、これまでの儒教に関する美術主題の事例研究の成果を発展的に統合し、儒教美術の成立地と波及地における様式的変容について、全体像を追究する。 2019年度は、儒教美術史に関する基礎となる文献史料および美術作品の情報収集に努めた。具体的には五山文学から「孔子図」や「三教図」といった儒教に関連する題画詩を抽出し、日本に儒教が普及する以前にも儒教美術が成立していたことを明らかにできた。 2019年10月29日と30日には、東京国立博物館のご厚意により、同館において第1回研究会を開催した。29日午前中は、研究分担者の守屋正彦氏に「儒教美術」と題した講演をいただき、続いて分担者の井川義次氏に「儒教理念とその西伝について」とする発表をお願いした。午後には、東京国立博物館に所蔵される儒教美術作品の調査をおこない、これまで未紹介であった儒教美術に関する新たな知見を得ることができた。30日には、研究協力者の沖松健次郎氏に「東博所蔵の儒教絵画」と題した発表をいただき、東京国立博物館が所蔵する作品群について、様式や図像の変遷などを概観することができた。本調査には、極めて重要な知見が含まれており、研究期間中には、この成果を精査し、報告書として公表したい。 2020年1月26日には桐陰会館にてシンポジウム「サッカー×アート:日本サッカーのシンボルをめぐって」を開催した。これは日本サッカーのシンボルである三足烏をテーマに、日本的な儒学受容の在り方である儒家神道の可能性としての美術主題を探るものである。三足烏のシンボルは儒学者でもあった内野台嶺(1884ー1953)の発案により、熊野三山の象徴である八咫烏を典拠に作られた。そのため、近代における儒学受容の一端が解釈できる。この成果については、研究期間中に論文集として刊行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
儒教美術史に関する研究成果を国際的に俯瞰するため、2020年3月に、台湾・中央研究院にて、国際研究集会を開催する予定であった。しかし、2020年1月、世界的なCOVID-19の流行によって中止を余儀なくされた。儒教美術史に関する研究の資源化を最終目的とする本課題にとって、この中止は痛恨の極みであり、研究が大幅に出遅れることとなった。また、2020年3月下旬には中国・山東大学にて国際共同研究の打合せをすることも予定していたが、これも取りやめとした。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19が収束次第、台湾や中国にて資料調査をおこなう。収束が望めない場合には、関連文献や資料の購入と国内の美術館等の諸機関における調査費用に充てる。また、渡航が可能になれば、その費用に適切に使用する。
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Research Products
(10 results)