2021 Fiscal Year Annual Research Report
通信使と訳官使の統合的研究―17-19世紀東アジア国際秩序と構造の視座転換―
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19H01307
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池内 敏 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90240861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程 永超 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (80823103)
石田 徹 島根県立大学, 国際関係学部, 准教授 (90386524)
片山 まび 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (80393312)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 朝鮮通信使 / 訳官使 / 近世 / 日朝関係史 |
Outline of Annual Research Achievements |
依然として行動制限が厳しく行われて、海外調査はきわめて困難であり、また国内の研究機関・博物館・資料館・大学図書館でも外部者の利用禁止措置をとるところが多いなか、研究計画の変更を行いながら、いくつかの調査を実施した。2021年9月には、花園大学博物館で同館が建仁寺から預かっている両足院文書のうち朝鮮外交関連のものを閲覧およびデジ多雨撮影させていただいた。また同館で同年11月から翌年2月まで両足院展が開催され、同時期に京都・相国寺承天閣美術館でも関連する展示が開催されたので、それら見学にも出かけた。オンライン研究会は9回実施し、オンライン開催された東アジア日本研究者協議会第五回大会(幹事校は韓国・高麗大学校)にパネル発表で参加した。また、それら研究成果は、本科研の研究成果報告書『訳官使・通信使とその周辺』4号・5号の2冊を刊行した。本年度の研究活動の跡は、これら報告書に具体的に残されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症の拡大が収まらないなか、前年度から繰り越して実施を計画した米国調査も困難だったために韓国での調査に変更しようとしたものの、やはり海外渡航は困難であった。他方で国内での史料調査は徐々に再開が可能になりつつあったので、研究計画を根本から立て直し、科研メンバーに新メンバー1名を招くとともに、対馬を介した朝鮮との対外関係を相対化する視点を得ようと考え、東北・北海道における対外関係史研究へも視野を拡大するよう準備を開始した。新メンバーの加入により、花園大での調査や東アジア日本研究者協議会でのパネル発表が可能となったのは収穫である。
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Strategy for Future Research Activity |
対馬藩を介した朝鮮との関係を軸にしながら近世日本の対外関係を再考するという基本姿勢は維持しながらも、北海道(蝦夷地)を介した対外関係史研究との比較という視座を新たに導入すること、考古学的な知見、美術史学の知見といった隣接諸科学に学びながら文献史学の方法をさらに豊かにすることを考えることとした。
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Research Products
(11 results)