2021 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study on the survival strategy and network making of the forced migrants in modern European history
Project/Area Number |
19H01332
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
北村 暁夫 日本女子大学, 文学部, 教授 (00186264)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 ひかる 明治大学, 法学部, 専任教授 (00272774)
青木 恭子 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10313579)
木村 真 日本女子大学, 文学部, 研究員 (20302820)
一政 史織 (野村史織) 中央大学, 法学部, 教授 (20512320)
杉浦 未樹 法政大学, 経済学部, 教授 (30438783)
平野 奈津恵 日本女子大学, 文学部, 研究員 (60634904)
山本 明代 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70363950)
山手 昌樹 日本女子大学, 文学部, 研究員 (70634335)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 難民 / 移民 / 強制移住 / ヨーロッパ / ネットワーク / 支援組織 / 比較史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀から20世紀にいたる近現代ヨーロッパにおいて、戦争や国家・社会による迫害などによって空間的な移動を強制された人々を対象とし、こうした人々が移動の過程で自らの生存を賭して行った選択(これを本研究では生存戦略と呼ぶ)を明らかにした上で、生存した人々が移動の過程において、あるいは移動先において形成した人的ネットワークの実態を明らかにすることを目的としたものである。 第3年度にあたる本年度は、2020年初頭に始まる新型コロナウィルスCovid-19の世界的感染拡大が収束せず、分担者の中には海外調査を遂行することができた者がいたものの、大半のメンバーにとっては依然として海外調査が困難な状況が続いた。この状況の下で、本年度はオンラインにより2回の研究会を開催した。第1回研究会は9月18日に開催し、一政史織「第一次世界大戦前後の国際女性平和運動における民族尊重論」と山手昌樹「ファシズムの政治犯流刑」の二報告が行われた。いずれの報告においても、強制移動を分析する際にジェンダーの視点を導入することが重要であると指摘された。第2回研究会は12月18日に開催され、平野奈津恵「第一次世界大戦期のベルギー人難民―フランス・ノルマンディ地方を中心に」の報告が行われるとともに、海外調査が困難な状況での今後の研究の進め方について参加者全員で討議した。基礎的な知見の集積とデジタル史料の最大限の活用の重要性が確認された。 分担者の中で海外調査を遂行することができた者もいたとはいえ、大半の参加者が海外での調査をできずにいる状況であり、研究の遂行に遅延が発生していることは否めない。しかし、既存の研究文献の渉猟やオンラインによるデジタル史資料の収集を通じて、基礎的な情報の集積を着実に進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスCovid-19の世界的感染拡大が収束をみる状況にないため、海外調査を行うことが引き続き困難な状況にある。分担者の中には海外調査を行う機会を得た者がいたものの、メンバーの大半は海外調査ができない状況にある。刊行された史資料の収集・閲覧やデジタル史資料の活用により、基礎的な知見の集積は進みつつあり、その点では研究の一定の進捗は見られたが、新型コロナウィルスの世界的感染拡大以前の想定からすると、研究の進展にいささか遅れが発生していると判断せざるを得ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスCovid-19の世界的感染拡大は2021年度においても収束の兆しを見せていないが、ワクチン接種の急速な普及や治療薬の開発により、2022年度には一定の収束が見込まれる状況にある。そのため、海外調査の再開が見込まれる。 今後の研究の推進方策としては、再開した海外調査を通じて、史資料のさらなる収集や、現地のインフォーマントを通じてのオーラル・ヒストリーを行うことで、多くの情報を蓄積し、それをこれまで集積してきた基礎的な知見とあわせることで、強制的な移動を余儀なくされた人々の生存戦略と彼らが形成した人的ネットワークの実態について分析を進めていく。また、オンラインによる研究会や科研費の参加者(代表者・分担者)以外の研究者を招いてのオンラインでの研究会・シンポジウムの開催も行うこととする。こうした一定の方策の積み重ねにより、これまでの研究遂行の遅延を挽回することにしたい。
|
Research Products
(8 results)