2022 Fiscal Year Annual Research Report
南米アンデスの初期帝国ワリの成立と地方支配に関する研究
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19H01396
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
渡部 森哉 南山大学, 人文学部, 教授 (00434605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 朋人 青森公立大学, 経営経済学部, 准教授 (20360216)
澤藤 りかい 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(CPD) (50814612)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アンデス / ペルー / 考古学 / 国家 / 帝国 / ワリ / 人骨 / 土器 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年8月から9月にかけてペルー北部高地に位置するテルレン=ラ・ボンバ遺跡の第二次発掘調査を実施した。2019年に第一次発掘調査の実施後、2020年2021年には新型コロナウイルスのため発掘調査ができなかった。 ワリ帝国は後8-10世紀に台頭し、インカ帝国の祖型としばしば見なされる。ワリ帝国とモチェ社会の間にどのような緊張関係があったのかを解明するために、ペルー北高地と北海岸を結ぶ主要ルートであるヘケテペケ川の中流域を調査地として、そこに位置するテルレン=ラ・ボンバ遺跡を発掘した。ヘケテペケ川中流域にはワリ帝国期の遺跡が多く分布することが確認されており、その多さはワリ帝国とモチェ社会の関係を理解するための鍵となる。 第二次発掘調査の結果、武器など戦争を直接的に示す遺物は出土しなかった。しかし今回発掘したC区は山の麓に位置しており、山の中腹から麓まで広がるテルレン=ラ・ボンバ遺跡の他の地区では防御的な設計の建築も地表から確認できる。今後の第三次発掘調査において他地区において戦争の証拠が認められるかどうかを確認する必要がある。 今回発掘したC1区では4mx3mの大きさの楕円形の墓と思われる遺構が検出された。複数のミイラを安置するためと想定されるが、出土した人骨に暴力の痕跡が認められるかどうかを今後確認する必要がある。 人骨の分析は日本において行った。エル・パラシオ遺跡から得られた歯石DNAについて、DNAライブラリを作成した。また、効率的な動植物DNAの解析のため、植物DNAのターゲットキャプチャ方法を開発し、テストサンプル(日本の歯石資料)に適用してその有効性を確認した。サンタ・デリア遺跡から出土した人骨に残された利器による損傷を記載・分析した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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