2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of International Human Rights Law in Business and Human Rights: Certainty and Effectiveness as Standards of Conduct
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19H01441
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
菅原 絵美 大阪経済法科大学, 国際学部, 准教授 (80712223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 真 南山大学, 法学部, 教授 (30451503)
金子 匡良 法政大学, 法学部, 教授 (50462073)
近江 美保 神奈川大学, 法学部, 教授 (50732658)
山崎 公士 神奈川大学, 法学部, 教授 (80145036)
谷口 洋幸 金沢大学, GS教育系, 准教授 (90468843)
松本 裕子 (小坂田裕子) 中京大学, 法学部, 教授 (90550731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際人権法 / ビジネスと人権 / 企業の社会的責任 / 行為規範 / 国際人権法の実効性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、「国際人権基準の行為規範性」という研究目的を念頭に置きながら、各自がこれまでの研究の延長線上に「ビジネスと人権」を捉えた際にどのような具体的な議論や課題がみえてくるかについて研究を進める方針のもとで、国内外の研究活動を行った。 国内での研究活動としては、ILO駐日事務所の田中竜介氏から「労働と『ビジネスと人権』」としてILO基準の企業の行為規範性について、神奈川大学の細田孝一教授から「労働契約に対する独禁法適用の可能性」(「ビジネスと人権」における国際人権基準の実効性に関する視点からの考察)について、CSOネットワークの黒田かをり氏(東京2020大会持続可能な調達ワーキンググループメンバー)から「東京オリンピック・パラリンピック競技大会持続可能性に配慮した調達コード」についてお話をいただいた。 海外での研究活動として、スイス・ジュネーブの国連人権理事会または国連人権高等弁務官事務所において当事者の視点からのインタビュー調査などを行うとともに、国連ビジネスと人権フォーラムに参加し「ビジネスと人権」の最新の研究・実践動向について調査した。 またこれらの研究活動を受けて、2019年10月の第1回研究会では菅原(絵)、近江、金子が、2020年2月の第2回研究会では岩附、菅原(真)、川島が、現在までの研究成果と課題をまとめ報告を行った。これら研究のまとめは、社会還元の場として構築したウェブサイト(http://bhrts2019-2022.org/)で公開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は「国際人権基準の行為規範性」を検討するにあたり、明確性と実効性のふたつの視点から研究を進めていく予定であった。しかし行為規範性を考えるうえで明確性と実効性は不可分の要素であることからアプローチを再考した。すなわち、各自がこれまでの研究の延長線上に「ビジネスと人権」を捉えた際に見えてくる具体的な議論や課題を持ち寄ったうえで、帰納的に「国際人権基準の行為規範性」を検討することとする。ゆえに、年度毎に予定していた企業や市民社会、政府との対話については、具体的な議論や課題がまとまった後に2年目以降に行うこととしたため、スケジュールとしては少し遅れている。 さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受けて、2月~3月にかけて予定していた海外調査を実施することができなくなった(次年度以降、状況が落ち着いたのちに実施予定)ことがやや遅れの理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度および2020年度の2年間は、各自が「国際人権基準の行為規範性」という研究目的を念頭に置きながら、これまでの自身の研究の延長線上に「ビジネスと人権」を捉えた際に見えてくる議論や課題について報告(各自年1回)を行う。子どもや女性といった当事者からの視点や企業およびそのステークホルダー(政府、国際機関、市民社会など)からの視点は重視しつつも、科研申請書で示したような明確性と実効性のチームに分けることはしない。各自の報告から共通項(例えば、行動基準が行為規範に昇華されていくプロセス、行為規範としての明確性・実効性を構成する共通の要素など)を帰納的に見出すことで、研究成果につなげていく。2年間の研究成果を中間総括しながら、2021年度以降に予定している政府、企業、市民社会との意見交換、国連人権理事会での研究セッション、そして研究成果の出版計画につなげていく。
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Remarks |
上記ウェブサイトは本科研研究の成果を発表するために新たに構築した。
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Research Products
(9 results)