2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of International Human Rights Law in Business and Human Rights: Certainty and Effectiveness as Standards of Conduct
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19H01441
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
菅原 絵美 大阪経済法科大学, 国際学部, 教授 (80712223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近江 美保 神奈川大学, 法学部, 教授 (50732658)
松本 裕子 (小坂田裕子) 中京大学, 法学部, 教授 (90550731)
金子 匡良 法政大学, 法学部, 教授 (50462073)
川口 智恵 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 講師 (20789987)
菅原 真 南山大学, 法学部, 教授 (30451503)
谷口 洋幸 青山学院大学, 法学部, 教授 (90468843)
細田 孝一 神奈川大学, 法学部, 教授 (30563308)
山崎 公士 神奈川大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (80145036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際人権法 / ビジネスと人権 / 企業の社会的責任 / 国際人権法の実効性 / 行為規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナによる研究の遅れのための延長を経て、2023年度は本研究の最終年度となる。そこで、①国連ビジネスと人権フォーラムにおける研究者交流を通じて研究成果に対して意見・助言を得ること、②研究メンバーが各成果を論文としてまとめ論文集として公表することを目標に研究活動を行った。 2021年度科学研究費補助金分を通じて、①と②の双方に関する研究活動を実施した。 ①については、本科研テーマを扱う国連ビジネスと人権フォーラムが、コロナ禍終息を経て、23年度から対面での開催となった(昨年まではオンライン開催のみ)。2023年11月27-29日の期間で、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開催され、研究代表者および研究協力者1名で参加した。フォーラムでの研究者交流を通じて研究成果に対して国連ビジネスと人権に関する作業部会委員(ピチャモン・イェオファントン氏)をはじめ、世界各地から集まる専門家から非常に有益な助言・意見等を得ることができた。また、ドイツが世界で初めて企業への個別支援・助言等を行う「ビジネスと人権ヘルプデスク」を設置したが、ヘルプデスク担当者とも意見交換を行い、研究成果をまとめるにあたって貴重な情報・経験を得ることができた。 ②について、「ビジネスと人権」とは日本政府、企業、ステークホルダーにとってどのような問題であるのかについて、ジャニーズ問題(旧ジャニーズ事務所経営トップによる長年にわたる子ども・若者への性加害問題)をテーマに研究成果をまとめた。その成果の一部を国際人権法学会研究大会で報告し、参加者から貴重な質問・意見を得るとともに、ジャニーズ問題に関する企業調査を実施し、結果およびそこからの示唆をまとめた。当該成果は論文集に収録予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナによる研究の遅れのための延長を経て、科研研究の着地点である、①国連ビジネスと人権フォーラムにおける研究者交流を通じて研究成果に対して意見・助言を得ること、②研究メンバーが各成果を論文としてまとめ論文集として公表することを目標とした。①は実施でき、②の論文集は9月に刊行予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、当初2019年度から4年間のプロジェクトであったが、2019年末に始まる新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、2020年度および2021年度に予定していた海外調査研究および研究者交流、関係者へのインタビューなどの実施が不可能となったことを受け、1年延長しての実施となった。今年度が最終年度である。 研究期間を通じて、11回の研究会を実施し、その成果をウェブサイトで公表した。国内外での調査・研究に加え、研究成果を国内・国際学会・会議で発表してきた。2024年9月に『ビジネスと人権:国際人権から見た規範形成・普及のダイナミズム(仮)』を日本評論社から出版予定である。同書では、「ビジネスと人権」がとらえるダイナミックな現象の全体像を示したうえで(第1部)、国際社会における展開について(第2部)、国内社会における受容について(第3部)、さらに国際人権法における当事者の権利の視点(第4章)から、前進と課題を理論的および実証的に分析および検討した。
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