2022 Fiscal Year Annual Research Report
住民基本台帳制度の検討を通じた住民概念の構築と動揺に関する研究
Project/Area Number |
19H01443
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40214423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 淳子 東北大学, 法学研究科, 教授 (00372285)
荒見 玲子 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20610330)
内海 麻利 駒澤大学, 法学部, 教授 (60365533)
荒木田 岳 福島大学, 行政政策学類, 教授 (70313434)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 住民 / 地権者 / 受給者 / 公衆 / 家族 / 世帯 / 個人 / 市民 |
Outline of Annual Research Achievements |
住民概念について掘り下げるなかで、単に住民制度にとどまる分析は限界があることが明らかになった。第1に、歴史的には土地と人々の関係が重要であり、さらに縮減社会においては、耕作放棄地や空き家など、空間制御・土地管理と人間の関係が重要ということが深められた。第2に、少子・高齢社会を前提に介護・医療需要が増えることは、感染症パンデミックのなかで、様々なサービス受給と住民の関係が重要であった。くわえて、家族のアンペイワークの問題を直視する必要があることが、認識された。さらに、第3に、経済・人流グローバル化やパンデミックを背景に、国籍・国民・民族や、公衆・人口という、居住地に紐づけられられない人間集団の意義が増していることも、重視された。 以上のような観点から、住民概念は、広く行政と諸個人または人間集団の問題として、より一般的にとらえることが必要であるという結論に至った。具体的には、自治体にとっての住民を、より分析的に分解して、市民、国民、人口、家族、世帯、事業者、職業人、職員、受給者、公衆、地権者、素人(玄人)、個人の観点から整理することになった。そのうえで、狭い意味での住民について、地縁・地域社会集団としての特質を描くとともに、そのような実質的住民と、実際の行政(住民基本台帳制度など)において利用される形式的住民との異同(重なりとずれ)を明らかにすることを進めた。 以上の内容は、『行政学講説』(金井利之著、放送大学教育振興会、2024年)として、暫定的にまとめて世に問うこととなった。この書籍は、形式的には本研究代表者の単著であるが、実際には、研究分担者の個別報告を踏まえて租借して代表者が素案をまとめ、さらにそれを研究会での質疑検討によって、さらに内容を精査したものである。その点で、この研究の共同成果ということができる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)
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[Book] 行政学講説2024
Author(s)
金井利之
Total Pages
302
Publisher
放送大学教育振興会
ISBN
978-4-595-32473-4
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[Book] 縮減社会の管轄と制御2024
Author(s)
内海麻利・金井利之・角松生史・小泉秀樹・高村学人
Total Pages
252
Publisher
法律文化社
ISBN
978-4-589-04323-8