2020 Fiscal Year Annual Research Report
Division of Labor in UN Peacekeeping: Searching for Japan's Unique Contribution
Project/Area Number |
19H01461
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
藤重 博美 青山学院大学, 国際政治経済学部, 准教授 (20509864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
キハラハント 愛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10806459)
上杉 勇司 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20403610)
本多 倫彬 一般財団法人平和・安全保障研究所, その他部局等, 客員研究員 (30750103)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 国連 / 平和活動 / 平和維持活動 / PKO / A4P / 平和構築 / PKO改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響により海外での調査研究や成果の報告が不可能な状況が長く続くという予想もしない事態が発生したが、そうした制約のなかでも、文献調査やオンラインでの学会・会議への参加、聞き取り調査など実施可能な方策を用いて研究活動を続けた結果、以下のような実績を残すことができた。第1に研究代表者(藤重)および分担者2名(上杉、本多)による日本のPKO政策に関する英文学術書(Japan’s Peacekeeping at a Crossroads: Taking a Robust Stance or Remaining Hesitant, Palgrave Macmillan, 2022)の出版である。日本のPKO政策の検討は、本研究活動の中心的課題であるが、既存研究は和文での成果発表が多かった。これについて英文でまとまった研究業績を残すことができた意義は大きい。また本書は、オープンアクセスとしたため、2022年1月の出版以来、約4ヶ月でダウンロード数が5300件を超えており(2022年5月現在)、国際的に研究成果を広く周知する点でも成功している。これ以外にも、代表者(藤重)による関連する学会報告4つ(国際学会(オンライン)1つ、国内学会3つ)および海外の研究者との共催の研究会合での報告2回、分担者2名(上杉、本多)による海外英語ジャーナルへの査読論文の発表があり、さらに、分担者本多は和文単著論文2本、分担者キハラハントは英文共著論文1本も、それぞれ発表している。このほか、分担者キハラハントは、3つの国際学会(オンライン)で関連する報告を行うなど、4名の研究体制で着実に研究成果を挙げている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の制約のため、研究の進め方自体には大きな変更を迫られた箇所は多々あった。特に、当初は本研究課題の活動の柱に据えていた海外調査および国際学会での報告が難しくなったことは大きな痛手であった。しかしオンライン会議等のIT技術を駆使することで、ある程度、コロナ禍の制約をカバーできることがわかり、前項で記述した通り、かなりの研究成果を上げることができた。このような理由により、全体としては概ね、予定通りに研究が進んでいると判断するものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、全研究期間の後半に入っていくため、ひきつづき調査研究を行いつつ、研究成果の取りまとめ・公表により一層力を入れていくことになる。上記の通り、コロナ禍の影響による海外調査・海外での研究報告の困難さという問題は、IT技術を駆使することにより、ある程度はカバーできることがわかったが、やはり国連PKOの現場をみたり、あるいは、海外の学会や国連等の研究機関、また調査機関等を直接訪問しないと得られない情報や人脈もあるため、今後も海外調査・海外での研究報告の再開の可能性を引き続き追求していきたい。しかし、やはり再開が難しい可能性もあるため、オンラインによる情報収集や研究報告も継続していくことになる。
|
Research Products
(16 results)