2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of International Migration of Muslim Women Workers
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19H01464
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
中西 久枝 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (40207832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中屋 昌子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30838850)
西 直美 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50822889)
山根 聡 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (80283836)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ムスリム女性 / 移民 / ジェンダー / オートノミー / 労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2020年3月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、日本における文献調査に切り替えると同時に、2019年度までに行った現地調査をもとに次回調査に向けた準備、アンケート項目などの作成を中心に行った。 中西は現代イラン社会におけるジェンダー観や女性運動に関して、これまでに得られた知見をまとめ、国内の研究会や学会などで発表を行った。また、イラン人のディアスポラ文学を通じてイラン人女性が移住先でどのようにホスト社会と関わり、出身国での自己アイデンティティを踏襲したり超克したりしたのかを分析し始めた。インタビュー調査に行けないなか、文学作品の批判的研究を取り入れた。山根は、前年度に実施したパキスタンでの現地調査をもとに、ムスリム女性を対象に実施する予定の海外での労働に関するアンケート項目を作成し、研究代表者の確認と助言を得て完成させた。中屋は、2019年度に中国で実施したインタビュー調査の成果をまとめる作業を実施した。西は、2019年度に実施したインタビュー調査の成果をまとめる作業を進めつつ、現地在住のアシスタントとともにオンラインで調査を行うにあたっての打ち合わせを行った。現地協力者とともに質問項目の作成や調査実施のタイムスケジュールを組み、オンラインでのインタビュー調査のパイロット調査を実施した。コロナ禍において、当初の現地調査は限定的にしか実施できなかったが、そうした限界のなかで研究代表者及び各分担者は研究論文や著書などの形で成果を公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、現地調査を実施することが困難となったため、当初予定していた予定が大きく崩れてしまった。本研究課題は、海外での現地調査をし、直截女性の移住労働者に聞き取り調査をすることによって知見を得ることを前提とした研究課題であった。次年度に本格調査をするための予備調査を実施する年度に当たる本年度に、それが実施できなかった影響は大きかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査をオンラインでの調査に切り替えるなど、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて柔軟に対応していく予定である。具体的には、カナダにおけるアフガン難民女性の聞き取り調査は、トロントに在住のNGO従事者にオーラルヒストリーの手法を通じてインタビューを依頼し、その結果をまとめる予定である。また、次年度は西はマレーシアに現地調査に行き、タイの深南部からマレーシアに移住したレストラン従事者たちにインタビューをする予定である。中屋は、前年度のフォローアップ調査をイスタンブールにて本格調査を実施する予定である。山根は、すでにアンケートを実施したため、その結果の分析を実施する。
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