2019 Fiscal Year Annual Research Report
日本の周辺労働市場の再編と「移民社会化」に関する研究
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19H01583
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 泰郎 広島国際学院大学, 情報文化学部, 教授 (80281765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 晃彦 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20245658)
吉田 舞 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (50601902)
崔 博憲 広島国際学院大学, 情報文化学部, 教授 (60589373)
中田 英樹 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (70551935)
川越 道子 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 特別研究員 (70617068)
坂梨 健太 龍谷大学, 農学部, 講師 (90749128)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 移住労働者 / 周辺労働市場 / 外国人 / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、論点の整理や調査対象の絞り込みを行うために、周辺労働市場のこれまでの変化や現状について、既存資料および先行研究などの検討を行うとともに、2019年4月1日に施行された改正入管法の運用状況について、行政資料の収集および法律家からの情報提供などを通じて、研究に必要な情報の把握を行った。また、これらの作業を踏まえた上で国内と国外で調査を実施した。 技能実習生については、関西圏や首都圏、北海道、青森、愛媛を主な調査地として、農業・漁業・製造業などに従事するベトナム人・フィリピン人・タイ人などに聞き取りを行い、監理団体や受入れ企業などに対しても聞き取りを実施した。また、ベトナム・タイ・ミャンマーなどにおいて、元技能実習生や志願者、送り出し機関、リクルーターへの調査もあわせて行った。日系人労働者については、水産加工に従事する日系フィリピン人家族への聞き取りを進めるとともに、過疎地域に移転した日系ブラジル人学校に関する調査を実施した。また、日本の自動車関連産業が相次いで進出したメキシコにおいて、日本で就労した経験を有する日系ペルー人を対象に聞き取りを行った。これ以外では、フードシステムを構成する各産業の経営者や食品製造業に従事する留学生への聞き取り、地方に居住するアフリカ人の聞き取りなどを進めたが、特定技能に関する実地調査については予備的なものにとどまった。 以上に加え、研究成果の社会化をはかるため、研究分担者と研究協力者の11名により、一般の読者を主な対象とした書籍を執筆した。出版は当初予定していた2019年度末には間に合わず、必要経費の繰越を行い、コロナ禍前の状況を総括するものとして1年遅れて2020年度末に刊行した。 研究会は6月と11月の2回開催し、研究計画の立案や研究成果などに関する議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存資料および先行研究などの検討については、今年度に予定していたことはおおむね実施できた。国内および国外の調査については、これまで進めてきた研究分担者や研究協力者の研究なども踏まえて、ある程度実施することができたが、コロナ禍の影響により予定していた一部の調査を実施できなかった。書籍の出版については、予定していた2019年度からは遅れたが、2020年度中に刊行することができたため、遅れを取り戻すことができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を踏まえ、国内と国外の調査を中心に研究を実施する予定であるが、当面はコロナ禍の影響により限定的にならざるを得ない。代替できる方法を検討する一方で、これまで収集した資料やデータの検討に力点を置いて研究を進めることにしたい。
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Research Products
(10 results)