2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Basic Research for Theory and Practice of Community Organizing
Project/Area Number |
19H01589
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
室田 信一 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00632853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田川 華子 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員准教授 (60424991)
篠田 徹 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60196392)
竹端 寛 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90410381)
津富 宏 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50347382)
林 大介 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60708379)
藤井 博志 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60336815)
渡辺 裕一 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (70412921)
石神 圭子 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員研究員 (20640866)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | コミュニティ・オーガナイジング |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる2019年度は、コミュニティ・オーガナイジング研究のための枠組みを設定することを目的に、研究会の開催と海外における調査を実施した。また、コミュニティ・オーガナイジング研究の基盤整備のための情報発信源としてポータルサイトを開設し、情報の更新作業を行った。 2019年7月に研究会の運営会議を開催し、2019年度の具体的な計画とタスク、役割分担について話し合い、研究会の推進方法について意見交換をおこなった。 2019年8月に開催した研究会では、大阪府箕面市にある暮らしづくりネットワーク北芝の池谷啓介さんにお越しいただき、大阪府の旧同和地区におけるコミュニティ・オーガナイジングの実践について議論をおこなった。 2019年度の後半に、解放の神学に関する研究会を開催する予定であったが、ゲストスピーカーとの日程調整が難航し、開催に至らなかった。 なお、後半はアメリカ、ニューヨーク市およびセントルイス市において調査を実施した。ニューヨーク市では、コミュニティ・オーガナイジングに取り組むNPO(2箇所)においてフィールドワークを実施し、オーガナイザー4名(4団体)にインタビュー調査を実施した。セントルイス市では、コミュニティ・オーガナイジングに取り組むNPOと大学教員にインタビューを実施した。 一方、コミュニティ・オーガナイジングの研究および実践に関する情報を日本語で発信するためのポータルサイト(Organizer’s Tool Box, https://co-tool.info/)を2019年12月に立ち上げ、その後も情報の更新をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、大きく分けて2つのアウトプットを計画している。一つは、コミュニティ・オーガナイジングの理論や歴史、国内外の動向について広く発信するコミュニティ・オーガナイジング白書の作成である。もう一つは、コミュニティ・オーガナイジングの研究基盤にあたる情報を発信するためのポータルサイトの開設である。 一つ目のアウトプットであるコミュニティ・オーガナイジング白書作成にあたり、現在、白書の形式について先行研究の整理をおこなっており、研究会のメンバーで本研究会のアウトプットのイメージを固める段階にある。2019年度は、白書作成に必要な理論的な整理を目的とした研究会が2回しか開催することができなかったため、現在、2019年度に実施したアメリカでの調査結果と、日本で開催した研究会における議論を参考に仮の枠組みを作成し、この枠組みについて研究会のメンバーで検討している。 二つ目のアウトプットである、ポータルサイトに関しては、現在、コミュニティ・オーガナイジングに関する書籍と論文のデータベースに加え、コミュニティ・オーガナイジングに取り組む団体や、コミュニティ・オーガナイザーのためのオンラインツールなどの情報を収集している。このサイトはすでに一般に公開されており、利用者のフィードバックに基づいて随時更新作業をおこなっていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は当初の計画通り、コミュニティ・オーガナイジング白書の作成に向けて、1)研究枠組みの確定、2)実態把握のための領域横断調査の実施を予定しているが、3)の海外調査委に関しては、新型コロナウイルスの影響から渡航しての調査は困難であると考える。 まず、研究枠組みに関しては、6月に第1回目の研究会を開催し、その後、2ヶ月に1回のペースで研究会を開催して、議論を進めていく予定である。すでに予定していた解放の神学に関する研究会、アメリカのコミュニティ・オーガナイジングに関する研究会、ヨーロッパのコミュニティ・オーガナイジングに関する研究会を開催する予定である。 実態把握のための領域横断調査に関しては、研究班の調査担当者が中心となり、コミュニティ・オーガナイジングの実践に取り組む現場の人をゲストとして迎えて、研究会を開催する。そこでの議論を参考に、コミュニティ・オーガナイジング白書に実践事例として掲載する。 最後に、海外の調査に関してはまだ未定であるが、すでに昨年度から連絡をとっている海外のカウンターパートとオンラインの研究会を開催することも念頭に調整を進めていく予定である。
|
Research Products
(11 results)