2021 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of hyperphosphatemia and microbiota in vascular endothelial function with in the end-stage renal diseases.
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19H01611
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂上 元祥 兵庫県立大学, 環境人間学部, 特任教授(名誉教授) (20283913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 美紀子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50314852)
中出 麻紀子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (80508185)
田中 更沙 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (90733387)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 高リン血症 / リンスパイク / 血管石灰化 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高リン血症やリンスパイクが末期腎不全患者の血管機能や血管石灰化へ及ぼす影響を検討した。腸内環境や尿毒症物質との関係も明らかにし、水溶性食物繊維を用いた予防方法を検討した。これまでに軽度腎不全モデル動物を用いてリンスパイクの影響の解析から血管石灰化を予防にはリンスパイクを防ぐ食事の重要性を示した。また、高リン食摂取時に食物繊維を摂取すると尿毒症毒素を産生する腸内細菌が減少して、血管石灰化の進行を抑制する可能性を示した。 本年度は2つの研究を行った。研究1では日常的なリンスパイクによる血管と腎臓への影響と、水溶性食物繊維投与による石灰化の予防を検討した。早期CKDモデルラットである1/2腎臓摘出ラットに0.6%低リン食と1.5%高リン食を2日おき交互に与えた。また、これに1%の水溶性食物繊維を摂取させた。水溶性食物繊維を摂取させたラットでは非投与群において腎臓に生じた石灰化を抑制した。本研究では早期のCKDにおけるリン制限と水溶性食物繊維の摂取の重要性を示した。 研究2では透析患者への水溶性食物繊維投与の効果を解析した。透析患者13名に毎食前にグアーガム分解物を5g(1日15g)摂取させた。摂取前後で身体計測、採血(一般生化学項目、尿毒素物質)、便調査、腸内細菌叢解析を行った。解析対象は摂取順守率が良好であった8名とした。食物繊維摂取は一部の被験者では便通改善がみられた。血中尿素窒素濃度は有意に低下した。血中尿毒素物質ではフェニル硫酸は有意に減少し、有意差はなかったが、トリメチルアミン-N-オキシドも8名中7名で減少した。腸内細菌叢ではビフィドバクテリウム科が有意に増加した。新型コロナ流行のため対象者が少ないことなどに改善の余地が残るものの、透析患者に水溶性食物繊維を摂取させることは良好な効果が見込める有用な手段であり、有効な栄養療法につながると考えられた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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