2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Internationalization of Education Research: Focusing on the roles of academic associations
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19H01621
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米澤 彰純 東北大学, 国際戦略室, 教授 (70251428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Rappleye Jeremy 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (00742321)
廣田 照幸 (広田照幸) 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
松浦 良充 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30209499)
北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (30362221)
石川 裕之 畿央大学, 教育学部, 准教授 (30512016)
李 敏 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (30531925)
松河 秀哉 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (50379111)
山田 浩之 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60258324)
森下 稔 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60300498)
油布 佐和子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80183987)
山名 淳 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (80240050)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教育学 / 学会 / 国際化 / アジア / 学術 / 教育学研究 / 人文社会科学 / グローバル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本における教育学研究の国際化の現状と課題に関して、その研究活動を支える基盤である教育学関連諸学会のあり方に焦点を当てて国際的視野に立った調査・分析を行い、グローバル社会の進展の中で岐路に立つ日本の教育学研究の国際化・国際展開・国際交流を通じた研究の国際発信強化への方途を探ることを目的としている。具体的には、研究を支える組織・ネットワークの基盤をなす学会を研究対象に据え、①日本における教育学関連諸学会の国際化に向けた活動や体制の実態調査・分析、②海外(特に非英語圏諸国)における教育学関連諸学会の国際活動の実態調査・分析、③教育学関連諸学会の国際ネットワークや世界・地域レベルの国際学会の実態調査・分析を行い、④それによって、教育学研究の組織・ネットワーク基盤である学会の国際的あり方が各国の教育学研究に与えている影響と、その中での日本の位置づけと課題とを特定、日本の教育学関連諸学会の国際化とその波及効果としての日本の教育学研究のさらなる国際化に向けた課題と方策について考察し、展望を示す。以上の目的に立って、関連の文献調査や中国、韓国など近隣国の教育関連諸学会の学会リーダーへのヒアリング調査、意見交換などをしながら、研究枠組みを形成し、実態・展望の調査に向けた準備を開始した。その成果として、比較的国家の支援や関与が強く、教育関連諸学会の間の間に階層性を含む統率がある程度見られる中国や韓国と、分権的な連絡組織としての性格を強く持つ日本の教育関連諸学会との間の考え方の違いが明確となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、文献調査及び内部での研究会の実施を行うと共に、中国教育学会長、韓国教育学会長にヒアリング調査を行い、さらに、日本教育学会長を併せた3カ国の教育関連諸学会のトップによる国際シンポジウムを、日本教育学会で実施し、その成果の一部を論文として発表した。ただし、予定していた中国・香港への訪問調査は、現地の大学における政治・治安情勢が悪化したため、2020年度への繰り越しを決めた。またその後、新型コロナウイルスの感染拡大が世界で進行したことから、米国の比較国際教育学会等へメンバーが参加したものの、状況の混乱のなかで調査計画の一部を変更せざるを得なかった他、2020年度全体を通じて海外訪問調査が不可能な状況が続いた。また、本研究テーマそのものである国際的な研究活動のあり方自体が大きな見直しを迫られる情勢となったことから、国内外の学会で、ある程度展望が定まる状態を待って、調査を本格化する方向で準備を進めた。 他方で、オンラインでの国際研究交流が、教育学関連諸学会でも急速に進み、教育の実践とこれを支える教育学研究が今回のパンデミックを受けてどのように変化していくかを世界共通の課題として捉えつつ、それぞれのナショナル・ローカルな文脈を踏まえて比較研究・研究対話を行うこと自体が、教育学研究とそれを支える諸学会の大きな役割として浮上した。これを受けて、当初の研究計画を発展させる形で、2020年7月に日本教育学会でオンライン座談会を開催し、世界教育学会前会長(ドイツ)他、中国、台湾、韓国、英国、米国の教育学研究者と、パンデミックを踏まえた今後の教育学研究とその国際化・国際連携に関わる対話を行った。また、オンラインを通じて国内の教育関連諸学会へのヒアリング調査を進めると共に、これに関わる形で海外調査を、一部オンラインを活用して実施する方向で準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定している国内外の教育関連諸学会への訪問調査は、2021年5月の現在でまだ新型コロナウイルスのパンデミックの収束の見通しが立っておらず、対面での調査や研究成果の発表についてはひきつづき、実施可能な状態になる時期を慎重に探り続ける必要がある。ただし、2020年度に様々な模索をする中で、オンラインを用いてヒアリング調査を行える可能性も大きく開かれた。また、徐々にではあるが、ポストコロナを見据えて、新しい環境のもとでの教育実践や、それを支える教育関連諸学会の国際活動、国際連携、国際交流のあり方も、方向性が示されつつある。上記の状況を踏まえ、慎重にタイミングを見定めながらオンラインおよび現地訪問を組み合わせた形での調査の準備を引き続き進めていく。
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Research Products
(14 results)