2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study of the Standardizations and the Diversities of Citixzenship Education in Asia
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19H01639
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 佳万 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90284223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長濱 博文 桐蔭横浜大学, 法学部, 准教授 (00432831)
松本 麻人 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10727168)
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
小野寺 香 奈良女子大学, アドミッションセンター, 准教授 (60708353)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 市民性教育 / アジア / 新しい学力 / 教養教育 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は(1)各国の調査研究と(2)国際比較研究とで構成される。研究対象となる国は、宗教、政治・経済において多様性を確保し、それぞれの観点から各国を相互比較ができるように、日本、韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシアである。本研究では、特に市民性教育と強い関係があると言われる宗教をもとに、まずは日本(神道・仏教型)、韓国(儒教型)、中国(社会主義型:宗教ではないがマルクス主義に基づく思想教育を実践)、フィリピン(キリスト教型)、インドネシア(イスラム教型)という分析軸を設定した。それらの間の比較検討から新たな「市民」概念が浮かび上がることを目標としている。 本年度は、特に高等教育段階を中心に(中等教育段階も一部含まれるが)、アジア各国の大学での教養教育調査研究(各国3大学)を行った。選抜性の高さにおいて多様な大学3校を選び高等教育機関の教養科目として位置づく科目を、主として「必修科目」の内容検討と、奉仕活動などの諸活動関連の科目の内容検討に分けて国ごとに分析していった。具体的な授業科目の名称は大学によって異なっていたため、シラバスをもとにメンバー間で慎重に検討・選択を行った。その結果、高等教育段階での「市民」概念をある程度抽出でき、国ごとの大まかな特徴がわかってきた。その成果の一部は、教育学関連の学会で報告したり、論文として刊行した。次年度には、日本比較教育学関連学会でさらに報告するとともに、中間報告書としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、主に高等教育段階の市民性教育、実質的には教養教育について、メンバーがそれぞれの担当国の内容を調査し分析を行った。その結果を2回の研究会で報告してもらい、各国の特徴がどこにあるのかについて概要をつかむことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響で、現在海外調査が現時点では難しい状況であるが、調査が可能になれば、できる範囲で積極的な現地調査を実施したい。また、仮に海外調査が思うようにいかなかったとしても、これまでに収集した資料等をもう一度丹念に分析することを通して、可能な範囲で分析を進めていきたい。メンバーが集合する研究会も前年度同様、2回を予定している。また本年度の終わりには、中間報告書を刊行する予定である。
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Research Products
(14 results)