2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H01644
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長島 啓記 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00298449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日暮 トモ子 目白大学, 人間学部, 准教授 (70564904)
鴨川 明子 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40386545)
吉田 重和 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30549233)
佐藤 裕紀 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (60734001)
古阪 肇 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, フェロー (20710536)
谷口 利律 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (20557318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 初任者教員 / 教員研修 / 教員養成 / ITP / TALIS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教員の職能開発を支えていく上で重要となる初任者教員に対する望ましい支援の在り方に関する示唆を得ることを目的として、ドイツ、オランダ、デンマーク、イギリス、カナダ、オーストラリア、マレーシア、中国、日本を対象とし、①初任者教員の育成と支援の体制や内容について分析すること、②入職前段階の準備体制・内容について分析し、初任段階との関係(連続性)という観点から考察すること、③社会的・文化的状況を踏まえた支援の在り方について各国の特質を考察し、初任者教員に対する支援の在り方のモデル化を試みることを目的としている。2回(2019年4月、12月)の研究会を行い、各国における初任者教員の育成と支援の体制や内容に関して確認し、比較検討を進めた。 また、OECDの国際教員指導環境調査(TALIS)の一環として2016~2018年に行われた初任者教員準備調査研究(Initial Teacher Preparation Study:ITP)に参加した7か国のうち、オランダ、ノルウェー、アメリカ、オーストラリア、日本のカントリーペーパーについて分析を進めた。教員不足が課題となっているオランダでは、初等教員に対する支援として教育学的・教育方法的技能の向上をモニターすることに重点が置かれていること、中等教員に対する国のプロジェクト「新人教員の支援」が実施されていること、ノルウェーでは教育研究省と地方自治体との間で新人教員へのメンタリングの提供に関する協定が結ばれていること、アメリカでは歴史的背景により初任者教員準備の管理運営、モニタリング等が多様性に富むものになっていること、オーストラリアでは教員の登録制度が導入され、機能していることなどを確認した。 なお、オーストラリア、中国、ドイツにおける初任者教員の育成と支援に関して、現地調査及び資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、教員の職能開発を支えていく上で重要となる初任者教員に対する望ましい支援の在り方に関する示唆を得ることを目的として、次の3つの課題を設定している。①比較教育研究の見地から、各国の初任者教員の育成と支援の体制や内容(初任者の育成・支援に関する政策・理念、入職後のプログラムの期間・内容、学校現場における支援の体制等)について分析すること、②入職前段階の準備体制・内容(大学等における教員養成プログラムの実施体制・内容等)について分析し、初任段階との関係(連続性)という観点から考察すること、③社会的・文化的状況を踏まえた支援の在り方について各国の特質を考察し、初任者教員に対する支援の在り方のモデル化を試みること。 このうち、ドイツ、オランダ、デンマーク、イギリス、カナダ、オーストラリア、マレーシア、中国、日本における初任者の育成と支援に関する政策・理念、入職後のプログラムの期間・内容等に関して分析し、比較検討することができた。また、OECDによる初任者教員準備調査研究(ITP)の成果を手掛かりとして、ノルウェー、アメリカにおける初任者教員の育成と支援に関する政策・理念等について分析し、比較検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツ、オランダ、デンマーク、イギリス、カナダ、オーストラリア、マレーシア、中国、日本における初任者教員の育成と支援の体制や内容(初任者の育成・支援に関する政策・理念、入職後のプログラムの期間・内容、学校現場における支援の体制等)についての分析、比較検討を継続する。 各国における入職前段階の準備体制・内容(大学等における教員養成プログラムの実施体制・内容等)と初任段階との関係(連続性)に関する分析、比較検討を進める。 また、OECDが2019年に刊行した A Flying Start IMPROVING INITIAL TEACHER PREPARATION SYSTEMS の内容を分析する。 状況をみながら、オランダ、デンマーク、カナダ、マレーシアにおける初任者教員の育成と支援に関して、現地調査の可能性を探る。
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Research Products
(4 results)