2020 Fiscal Year Annual Research Report
児童に寄り添った「表現の見取り」を可能とする教員支援システムの創出とその効果検証
Project/Area Number |
19H01664
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小澤 基弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40241913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿貫 啓一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30212327)
清水 由紀 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30377006)
野村 亮太 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (70546415)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 児童の表現 / 教員支援 / 多面的理解 / 研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プロジェクトA「児童画データからの描画パターン分析とブックレット作成」とプロジェクトB「多面的認知特性に基づく図画工作科版の教師用RCRTの作成」の二つの柱で進められている。2020年度はプロジェクトAを主に行なった。コロナ禍のなか計画通りにはなかなか進められなかったのでブックレット作成にまではまだ至っていない。しかしながら、「児童画の見方」について、実際に児童、教師、そして美術専門家がそれをどのように見ているのか、その共通点と相違点について、複数の児童画をそれぞれに主にアイトラッカ-を装着して見ていただき、各視線の動きのデータ結果の分析を通してそれを解析した。その成果は2021年度に学会誌等で発表する予定となっている。また、児童画の評価について、美術専門家に600枚以上の児童画をあらかじめ設定した項目にしたがって評価していただき、AIの機械学習のための教師データを取り始めている。しかしながら、まだ教師用データとしては十分な数のデータとは言えず、2021年度も引き続き継続していくことになる。また、2021年度からはプロジェクトBの図工版教師用RCRTの作成に入ることとなる。図工版のRCRTはおそらく初の試みとなるものであり、教師が研修を通していかに多面的見方の理解を促進出来たのか、その達成度を測る貴重な手立てとなるはずである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のなかで、対面での実験が思うに任せず、また研究ミーティングも全てzoomで行なっており、児童、教員、美術専門家に対する実験は十分な数をこなしているとは言えない。それ故にまだデータ分析は仮説止まりとなってしまっている。今年度は対面での実験も可能となると考えるので、今後研究を計画通りの状態で進めていくことは可能と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで通りプロジェクトAを継続して進め、ブックレット作成を目指す。他方、プロジェクトBについても、既に実験計画は策定しており、今年度からコロナの状況を見ながら可能な限り対面にて実験実施を行ない、データを分析していく。図画工作科版RCRTの作成はおそらく初の画期的なものとなるはずであり、教師の多面的理解度を測る極めて有効な手立てとなることが期待される。
|