2019 Fiscal Year Annual Research Report
後期中等教育におけるインクルーシブ教育の展望とその方略の提言
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19H01698
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石田 祥代 千葉大学, 教育学部, 教授 (30337852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞城 知己 関西学院大学, 教育学部, 教授 (00243345)
松田 弥花 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 助教 (20824171)
渡邊 あや 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (60449105)
本所 恵 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80632835)
是永 かな子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (90380302)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 後期中等教育 / インクルーシブ教育 / スウェーデン / デンマーク / フィンランド / ノルウェー |
Outline of Annual Research Achievements |
後期中等教育に公平で質の高い教育を提供するためにインクルーシブ教育は有効かを学術的に問うために、北欧を研究対象とし後期中等教育におけるインクルーシブ教育の全体像と諸相を検討し、日本における後期中等教育の在り方を展望し、将来的な方略を提案することを目的とする。研究1「義務教育におけるインクルーシブ教育の推進は後期中等教育にいかなる影響を与えたか 」と研究2「現代的課題に高等学校・職業学校はいかに対応しているか」 を分析するため、文献調査ならびにフィールド調査と聞き取り調査を行った。フィールド調査の結果、スウェーデンでは後期中等教育学校におけるインクルーシブ教育は場の統合や通常学校で履修を認める個の統合の他、必要な場合の分離的教育:特別な学校での教育や特別なプログラム・小集団での支援、もあった。ノルウェーでは、多様な教育的ニーズに応じるために学校内部の関係者として担任が窓口になり、管理職との連携体制が組まれ、必要に応じて、キャリアカウンセラー、特別教員やスクールナースがかかわっていた。また、重度知的障害児を特別学級で指導する高校に食品加工特別学級、自立を目指す支援付きの特別学級が設置されていた。聞き取り調査は半構造化面接法で下記4点が調査内容であった。①進路指導で支援を受ける生徒の特徴、②①の生徒の進学先、③①の生徒へのキャリア支援と移行支援の方法、④高校や職業学校への就学後の移行支援と特別な教育的ニーズへの配慮。結果、フィンランドでは、義務教育では三段階支援のシステムがあること、支援システムが後期中等教育においても整備されつつあること、特別な教育的ニーズのある生徒は、10年生、高校、職業学校、ヴァルマ、テルマから進路選択を行っていること、義務教育の移行支援として、キャリアカウンセラーと特別教員による進路相談、進学先との調整、学校訪問同行などが行われていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covit-19の感染拡大の影響を受けて、2020年2月に予定していたスウェーデンとノルウェー、フィンランドの学校ならびに教育機関における調査の中断を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
Covit-19の感染拡大は未だ続いているため、令和2年度の前期は文献調査を精力的に行い、後期に聞き取り調査を再開したい。さらに、この状況が改善した後には、北欧の研究者もしくは教育実践家を招聘し、学会発表を行うことを計画している。
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Research Products
(28 results)