2019 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害特別支援学校におけるスクールカウンセリングの実態と適用上の課題の検討
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19H01700
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
下山 真衣 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (00609620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 康二 明星大学, 心理学部, 教授 (00400656)
堂山 亞希 目白大学, 人間学部, 専任講師 (00759392)
酒井 貴庸 甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (50744108)
大石 幸二 立教大学, 現代心理学部, 教授 (80302363)
岩佐 和典 就実大学, 教育学部, 准教授 (00610031)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知的障害 / メンタルヘルス / 特別支援学校 / スクールカウンセリング / 心理支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究計画1年目であり、知的障害のある児童生徒のメンタルヘルスの国内での状況や支援を把握するために、基礎研究、学校への調査研究、学校及び相談室での臨床研究を実施した。 基礎研究では強迫性障害と慢性疼痛の基礎研究を行い、知的障害のある児童生徒のメンタルヘルス不調を理解し、支援する際の知見として整理した。次に国内の特別支援学校(知的障害)における不登校児童生徒を把握するために、全ての特別支援学校(知的障害)を対象に質問紙による調査を行った(有効回答383校:48.8%)。調査実施年度内における不登校発生率、原因、支援、再登校率が明らかとなり、特別支援学校(知的障害)における不登校支援に寄与するデータを報告した。特別支援学校(知的障害)における不登校生徒にはメンタルヘルスの不調と関連している事例があった。そのような状況から、特別支援学校(知的障害)におけるスクールカウンセリングの実践と課題について検討した。特に特別支援学校高等部生徒の事例検討により、思春期的課題やメンタルヘルスにおいて求められる支援について考察した。さらに、知的障害があり自閉スペクトラムのある児童生徒への具体的な自己モニタリングを用いた支援や社会スキル獲得、逆模倣を用いた介入などの実践的な支援について検討を行った。一方、特別支援教育に携わる教員や特別支援学校に勤める教員に知的障害のある児童生徒へのメンタルヘルスやスクールカウンセリングについてインタビューを実施したところ、特に高等部にてニーズがあり、実際にスクールカウンセラー が来校している特別支援学校ではその有効性の高さが報告されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
知的障害のある児童生徒のメンタルヘルスに関する調査や学校でのスクールカウンセリングについての事例検討などは順調に進んでいる。しかしながら新型コロナウィルスの影響のため、学校への調査と海外実地研究の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
知的障害のある児童生徒へのメンタルヘルスの不調に対するカウンセリングや支援はまだどのようになされてきたのか整理できておらず、来年度は学校における実態について検討していく必要がある。しかしながら新型コロナウィルスの影響で学校が休校中であったり、また再開直後であるため進めることが難しい。したがって、スクールカウンセラーへのインタビューを先に実施し、特別支援学校への調査については、学校の受け入れ態勢が出来次第実施することとする。また、海外への実地調査を行う予定であったが、これについては渡航予定のイギリスの状況や国内の状況を鑑み、場合によってはオーストラリアに変更もしくは、最終年度に実施する方向も検討し、安全に研究ができるよう努める。
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Research Products
(16 results)