2019 Fiscal Year Annual Research Report
生物多様性の実感的学習を可能とするSDGsを志向した里山環境保全教育プログラム
Project/Area Number |
19H01734
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武田 義明 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 名誉教授 (90155028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 博 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 教授 (00262113)
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
杉本 雅則 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90280560)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学教育 / 生物多様性 / 里山保護保全 / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,生物多様性にかかわるSDGs実施を志向した里山環境保全教育プログラムを開発し,提案する。その特徴は,ITを利用した学習ゲームと野外体験を統合したところにある。人間の経験範囲を越えた大きな時間的スケールの里山植生遷移や保全マネジメントの効果に関する可視化を実現するには,IT利用のシミュレーションに基づく学習ゲームが最適である。 初年度は,試作版ゲーム開発とその評価に注力した。概要は以下の通りである。 ①研究打合せ会議:本研究の代表者及び分担者は,6月に対面の研究打ち合わせ会議(北海道大学)を開催し,研究組織における役割分担と研究計画を確認するとともに,研究を軌道にのせた。対面後は,遠隔の会議を基本として,計画の細部を協議した。 ②コンテンツの設計と開発:試作版は,西日本地域の六甲山における里山植生の現実的なデータに基づいて設計した。植物社会学の観点から十分に検討を加え,里山に関する画像,テキストから構成された試作版コンテンツの具体的的な開発に取り組んで,パイロット版を完成させた。その後,別の地域の里山林として,南九州の宮崎を典型例とするコンテンツも作成した。 ③ゲームシステムの設計と開発:ゲーム・システムについては,従来の科研費研究により基盤的・基礎的部分の一部が完成していたので,里山管理の手法をより多く実装した試作版ゲームを作成し,2つのコンテンツを実装した。 ④予備実験準備・実施/⑤予備実験評価/⑥予備的成果発表:2019年11月に小学生を対象とした試作版ゲームの予備的な実証実験を行なった。また,六甲山版と宮崎版を実装したゲームについては,2019年12月から2020年1月にかけて,大学生を対象として評価実験を行なった。初年度の成果は,情報処理学会研究会,日本科学教育学研究会,ESERA,計測自動制御学会社会システム部会研究会などで研究会報告論文等として発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた研究内容がほぼ達成できたことが理由である。 ①シミュレーションに基づくゲームの基本設計が確定し,西日本の六甲山地域をモデルとするコンテンツを実装することができた。また,九州地域の里山林として宮崎県の事例のコンテンツも作成し,それら両者をゲーム上で体験できるところまで達成できた。 ②また,評価実験についても,小学生,大学生などを対象として,着実にデータを蓄積しているとともに,質問紙法や面接法による主観的評価だけでなく,視線計測による客観的評価にも取り組んでいる。このように,初年度において,ゲーム開発と評価が実施できたことは当初の研究が順調に進展していると判断する大きな根拠である。 ③さらに,国内外の諸学会において,研究会報告論文,口頭発表が着実に行われていることも研究の進捗状況が順調なことを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題の推進方策については,以下の点を挙げることができる。 ①残る他の地域の里山林をモデルにしたプロトタイプの作成に注力する。 ②引き続き,評価実験を継続するが,これについては,コロナ禍のため変更を余儀無くされる場合も想定して,評価の対象を臨機応変に考える。 ③初年度の成果について,本年度からジャーナル論文化,国際会議への投稿など発表についても本格的に取り組む。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Evaluation of learning support function of simulation game for forest management2019
Author(s)
Asahina,S., Kawaguchi, S., Takeda, Y., Funaoi, H., Yamaguchi, E., Kusunoki, F., Sugimoto, M., Mizoguchi, H., Inagaki, S.
Organizer
the 13th biannual conference of the European Science Education Research Association (ESERA2019)
Int'l Joint Research