2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Japanese-German comparative study of the role and contribution of MINT subject education to student personality formation
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19H01742
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (40200951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Kaiser Stefan 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (20260466)
寺田 光宏 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)
遠藤 優介 筑波大学, 人間系, 助教 (80759051)
藤田 剛志 千葉大学, 教育学部, 教授 (90209057)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人格形成 / 日独比較 / MINT教育 / 学校教育 / 全人教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学校、中学校、高等学校の各学校段階で学校教育は人格の完成を目指すという教育基本法の理念が実現されているかどうかを明らかにし、その中でMINT教科が果たしている役割を解明することである。具体的には、小中高で教科やクラスを担当する教員に対する質問紙調査により、学校で教えられる各教科や活動が人格の形成に寄与する度合いについての教員の意識からこれを明らかにする。本年度は、文献研究と過去の研究データの整理及び、調査問題の作成検討を行った。 調査問題は2種類とした。ひとつは、ハンブルク大学のG.Schaeferが提唱した人間の28の特徴に基づいた人格を問う問題である。これは以前の研究(科研費基盤研究B №26282042)で開発試行したものである。合計で28の特徴は、大きく2群に分けられる。ひとつは人間の持つ類人猿とも共通する比較的本能的な特徴としての14要素であり、もうひとつは人間を人間たらしめる固有の特徴としての14要素である。調査課題は、担当教科の学習がこれら28の人格の特徴の形成にどの程度貢献するかを、1:まったく貢献しない、2:ほとんど貢献しない、3:明らかに貢献する、4:強く貢献するの4件法で評価させる課題である。評価の値に基づいて28の特徴のプロフィールを描き、それを比較することによって教科の特徴及び差異を考察することが可能となる。以前の調査で人間を人間たらしめる特徴の表現が難解であるとの指摘が多くあり、今回はこの点の改良を重視して説明文に検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年7月にドイツにおいてメンバー全員が集まって研究の方針とスケジュールを検討した。調査問題として、以前の研究で開発した人間学図を引き続き使用すること、新たに教育目標に基づく人格についての調査を開発し、2問とすることで合意した。教員への問いかけは教科が理想的に機能した場合にはどうなるか、また現実にはどうかの2通りの文脈で答えさせることとした。当初問題作成を9月までに行い、試行して改良を行なう計画を立てたが、試行の実施が両国とも現実的ではないとの認識から机上での問題作成で熟考を重ねることとした。また、調査の実施方法として紙による調査依頼の他にウェブでの調査の可能性についてヒアリングを行い、数百人程度の教員の回答者を得ることができることが分かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究計画としては、本調査の実施と調査データの入力及び分析である。目標としては日独両国で各教科50人ずつの教員からの回答を得ることを目指す。各学校段階ごとに分析を行い、結果の考察を行なう全体会議を年度末に予定している。
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