2019 Fiscal Year Annual Research Report
Topological quantum phenomena in atomic Bose-Einstein condensates
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19H01824
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川口 由紀 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00456261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 和也 名古屋大学, 工学研究科, 特任助教 (40838059)
小林 伸吾 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (40779675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮 / トポロジカル相 / 非エルミート / カイラルエッジモード / 成長則 |
Outline of Annual Research Achievements |
①波数空間のトポロジカル量子相の研究として、磁化したトポロジカル絶縁体(TI)上の超伝導接合の研究を行った。TI表面ににs波超伝導体を接合すると、トポロジカル常伝導状態が実現し、超伝導体の端にカイラルエッジモードが出現する。このような状況下で2つの超伝導体を接合したときのジョセフソン電流を計算した。化学ポテンシャルを変えると、TI表面は絶縁体から金属へ、超伝導接合部はトポロジカル超伝導から通常超伝導へと変わる。ジョセフソン電流は絶縁体/金属の相転移点で急激に増大するが、その温度依存性はトポロジカル超伝導/通常超伝導の相転移点付近で急激に変化することが明らかになった。 ②実空間のトポロジカル構造の研究として、カイラル磁性体における磁気スキルミオンの実験グループと共同研究を行った。磁気異方性の弱いカイラル磁性体薄膜ではスキルミオンが三角格子状に並ぶことが知られているが、磁気異方性の強いCoZnMn化合物において、(110)界面では格子構造を形成せずに液晶状態が現れることを発見した。 ③非エルミート系のトポロジカル現象として、擬エルミート性と粒子正孔対称性を保つボソンのBogoliubovハミルトニアンを調べた。ハミルトニアンが対角化不可能な例外点が存在するときには、一般にトポロジカル数は定義できないが、仮想敵に運動量に虚部を導入することにより例外点が回避可能であることを示した。具体的な原子気体のモデルにおいてトポロジカル数を計算し、バルクエッジ対応が成り立つことを示した。 ④2成分原子気体の相分離ダイナミクスにおいて、ドメインの粗視化ダイナミクスを調べた。2成分の成分比に偏りがある場合には、ドメイン成長の初期と後期で成長則のべきが変わることを明らかにした。べきの変化は、スピン流の存在がドメインのランダムな運動に寄与するかどうかが、ドメインのサイズに依存して変わることによる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非エルミート系の数値計算が予定通りに進まず、期間を延長して行うこととなった。一方で、固体電子系の成果が予定以上に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
非エルミート系のトポロジカル相について、設定状況を変えて、特に例外点の存在する場合に関して調べる。また、人工的にスピン軌道角運動量相互作用が導入された系について、ゲージ場の非可換性により生じる物理現象を議論する。
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Research Products
(13 results)