2021 Fiscal Year Annual Research Report
金属堆積環境でのナノ構造加速成長と核融合炉への影響
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19H01874
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶田 信 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00455297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 貴志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (10415755)
伊藤 篤史 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (10581051)
大野 哲靖 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60203890)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヘリウム / タングステン / プラズマ / 核融合 / ファズ |
Outline of Annual Research Achievements |
直線型プラズマ装置Co-NAGDISにおいて,温度1223Kでヘリウム(He)-タングステン(W)共堆積実験を行い,補助的にWを蒸着させた場合のW表面のファズ成長の特性を観察した。Wの堆積速度に対する依存性を調べたところ,Heのみの実験と共堆積実験では,ファズの厚さに明確な違いが見られた。また、単一試料上のファズ構造は空間的に不均一な分布を示したが,これは堆積速度の不均一性に起因するものであることが分かった。タングステンへのネオン不純物ガスを添加したヘリウムプラズマ照射により,ナノテンドリルバンドル(NTB)が形成されることが知られている。試料温度1473~1673Kでアニール実験を行い,NTBの形態と電界電子放出特性の変化を調べた。W表面に形成されたNTBでは,1673Kで1時間アニールしても表面が平滑に回復せず,NTBは繊維状構造を保っていた。また,電界電子のオンセット電界は増加し,NTBからの発光電流はアニール後に著しく減少した。ヘリウムプラズマ照射中に試料を-250Vでバイアスすると,NTBを含むW表面ではアーク点孤が確認されたが,NTBをアニールしたW表面ではアーク点孤は確認されなかった。NTBの形成はアーク点孤の可能性を高め,ITERダイバータに悪影響を及ぼす可能性があるが,アニールはNTBの悪影響を低減するために有用な方法であることが分かった。ITERでは,高密度の水素プラズマを利用することでダイバータを加熱し,形成される可能性のあるNTB構造をアニールすることでNTB形成の抑制と電界電子放出の低減を行うことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置の開発の若干の遅れはあるものの,研究は遂行されており,予定通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
巨大ファズの形成起点に関して,メッシュやNTBを用いた実験を実施する。
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