2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the mechanism of high efficient plasma heating by two-clolor mixed and cross polarization laser
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19H01876
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有川 安信 大阪大学, レーザー科学研究所, 講師 (90624255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時田 茂樹 大阪大学, レーザー科学研究所, 講師 (20456825)
畑 昌育 大阪大学, レーザー科学研究所, 特任研究員 (60712429)
安部 勇輝 大阪大学, レーザー科学研究所, 特任研究員 (70817543)
椿本 孝治 大阪大学, レーザー科学研究所, 助教 (90270579)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レーザー核融合 / 超高強度レーザー / 波長変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
大阪大学や米国が進める高速点火レーザー核融合方式において、最も重要な課題は核融合燃料を核融合点火温度まで加熱することである。2018年から阪大で行われてきた加熱実験において、加熱効率は7%に至ったが、点火には最低20%が必要であるため後3倍程度の高効率化が必要である。本研究では、大阪大学の加熱レーザー(LFEX)に波長変換装置を導入し、基本波と2倍高調波の2波長混合・偏光交差レーザーを作り出し、このレーザーで加熱を行うとことで加熱効率が3-4倍に改善するみこみである。「LBO」結晶を採用することで、従来よりも圧倒的にコンパクトで低コストに波長変換が可能となった。2020年度にはじめてLFEXの全ビームである4ビーム、フルパワーにおける波長変換実験に成功した。これにより波長変換による加熱実験がほぼ整った。一方、LBO結晶の挿入によりレーザーの集光パターンが悪くなるという問題がみつかり、この問題の解決に取り掛かっている。これはLBO結晶のホルダーを改良することで解決できる。 2021年9月に波長変換レーザーを用いた加熱実験を行う。加熱を定量的に計測するために最適化されたターゲットを使う。2021年度終盤には実際のレーザー核融合における加熱実験を行い、核融合燃料の最終的な温度評価を行う計画である。この実験には大型レーザーを全ビーム使用し、多くの共同研究者が参加してのプロジェクトが必要のため、マシンタイムなどを鑑みて日程を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通りLFEXの波長変換に成功した。薄く加工したLBO結晶を用いることで巨大なシステムをコンパクトに変換できることに成功した。当初計画よりもLBO結晶を0.5mmまで薄く加工した。これにより波長変換効率は40-70%(4ビームによるばらつきあり)を実現し、ダメージの問題も緩和された。これにより波長変換で最大70%以上もの波長変換を実現した。しかしながら薄くなったLBO結晶はやわらく、ホルダーに挟んで固定しただけでミクロメーターサイズの歪みを生んでしまっていた。これによりレーザーの集光パターンが悪くなるという問題が発生しているが解決可能である。すでにプラズマの加熱が4倍に増えたというデータも取得している。このように想定外の問題を発見しつつもプロジェクトは当初想定以上のデータを出しており、このプロジェクトは想定よりも良い進展であると評価できる。 一方、ここで述べたプラズマ加熱のデータとは、加熱すべき電子発生数が4倍に増加したということを計測したものであり、実際にプラズマが4倍に加熱されたことを証明したわけではない。核融合プラズマの加熱の実験は元来非常に難しく、これを実現するためにはまず核融合燃料を高密度に圧縮しなければならず、加熱されたプラズマの温度は核融合中性子を用いて計測しなければならない。複雑なターゲットと計測機を用いた実験を要する。最終年度はプラズマの加熱を実証し、高速点火レーザー核融合にとって良い未来を示すことができるデータを取得することを目標とする。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶の歪みの問題を解決するために、ガラス製のLBOを見立てたものを準備し、結晶ホルダーに取り付けた状態と、ホルダーなしの状態による歪みの量の違いと、歪みの特徴、その原因を調査する。新規配属された学生がこの問題の解決に当たる。2021年の8月までに歪みの問題を解決する。2021年9月に波長変換による電子生成の実験が予定されており、ここで加熱電子の増倍の最終的なデータ取得を行う。この実験で得られたデータと、すでに取得したデータを合わせて論文発表を行う。2022年の2月にはレーザー核融合実験における加熱実験を実施する計画である。この実験に関しては限られたマシンタイム配分状況によっては2022年度いっぱいまで遅れることも考えられる。科研費の最終年度以降でも研究は継続することができるため、問題なく目的を成し遂げることができる。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] LFEXレーザーの2倍高調波発生装置の開発2021
Author(s)
有川安信, 椿本孝治, 南上和也, 中尾 采美, 浅野 将唯, Morace Alessio, 瀧澤龍之介, 嶽村真緒, 安部勇輝, 森田大樹, 河仲準二 藤岡慎介 中井光男 白神宏之, LFEX-group, 兒玉了祐, AHu Zhanggui,
Organizer
レーザー学会2021年
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