2022 Fiscal Year Annual Research Report
新古典・乱流輸送理論シミュレーションによる核融合プラズマ性能の解明と予測
Project/Area Number |
19H01879
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
洲鎌 英雄 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80202125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 清吉 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (10609986)
沼波 政倫 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (40397203)
仲田 資季 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (40709440)
登田 慎一郎 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (60332186)
佐竹 真介 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (70390630)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核融合プラズマ / 新古典輸送 / 乱流輸送 / 運動論的シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ジャイロ運動論に基づく定式化により、磁場閉じ込めプラズマの巨視的平衡と微視的電磁乱流の両方の効果を含む、分極・磁化の表式を導いた[Sugama, et al., Phys. Plasmas 29, 052509 (2022)]。 ヘリカルプラズマにおいて、運動論的電子およびゾーナルフローの効果を取り入れた2種類の簡約化乱流熱輸送モデル(熱拡散係数モデルおよび準線形輸送フラックスモデル)を組み込んだ統合輸送シミュレーションを実行した[Toda, et al., Pladms Phys. Control. Fusion 64, 085001 (2022)]。これらのモデルは、線形ジャイロ運動論的シミュレーションから得られる結果を用いて、非線形乱流ジャイロ運動論的シミュレーションの結果を短時間で正確に再現するものであり、統合輸送シミュレーションに適用され、LHDのイオン温度勾配(ITG)乱流プラズマにおけるイオン温度・電子温度の定常分布を求めることに成功した。 最適可数理手法を適用し、数少ない回数の非線形シミュレーション結果を参照することによって、簡約化乱流輸送モデルをより高精度化することが可能となった[Nunami, et al., Phys. Plasmas 29, 102505 (2022)]。 さらに、小半径方向の背景電場の存在するLHDプラズマにおける線形ITGモードの大域的ジャイロ運動論的シミュレーションを実行し、準線形輸送フラックスに対する水素イオン同位体効果の評価を行ない、水素イオン同位体質量に対する乱流輸送の依存性が、従来のジャイロボームスケール則よりも実験観測結果に近づくことが確認された[Moritaka, Sugamai, et al., Nucl. Fusion 62, 126059 (2022)]。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジャイロ運動論に基づく巨視的平衡と微視的電磁乱流の両方の効果を含む分極・磁化の定式化、簡約化乱流熱輸送モデルの適用・高精度化や準線形輸送フラックスに対する水素イオン同位体効果に関する研究成果が上がり、これらの研究成果は学術誌や国内外の会議において発表された。
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Strategy for Future Research Activity |
イオン温度勾配・捕捉電子不安定性乱流揺動による異粒子種間熱交換過程のシミュレーション解析やランダウ減衰に関するプラズマ運動論的シミュレーション研究を進め、乱流輸送シミュレーションの高精度化に資するジャイロ運動論モデルの拡張と応用を継続して行う。
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Research Products
(8 results)