2020 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノレス二重ベータ崩壊探索のためのキセノン泡箱の開発
Project/Area Number |
19H01918
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸藤 祐仁 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (60396421)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸藤 亜寿紗 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 特任助教(研究) (20704399)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 二重ベータ崩壊 / 液体キセノン / ニュートリノ / 泡箱検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
キセノン泡箱は、加熱液体中の放射線によって生成される泡を写真で撮影し、その飛跡のパターンからノイズ事象を除去し目的とする信号の信頼性を高めることができる。この目的を実現するため、液体キセノン容器に付随する配管系や圧力・温度など各種センサー組み込みの設計と製作、-100度 ~ -30度程度まで安定してキセノンを冷却することができる冷却機構、冷凍機や液体窒素冷却装置の開発と製作および設置、液体キセノンの減圧・加圧を行うベローズシステムの開発と製作、マイナス30度~100度、2~30気圧下における安定稼働のチェックを行い、ごく微量のα線を放出するトリウムタングステ ン棒を液体キセノンに沈めた泡生成の確認、赤外線に感度を持つ、IRフィルターを除去したデジタルカメラの導入を目指した。しかし、コロナウィルスの影響もあり、加熱液体を効率よく実現できる容器と圧力変動装置であるベローズの改良、赤外線で撮像するための赤外線照明システムの構築と赤外線カメラのテストを優先して進めた。 これまで使用していたキセノン圧力容器とベローズは、加熱液体を実現するのが難しい体積比であることが判明したため、より大型のベローズの製作と導入を行い、動作確認を行った。 940nmおよび1050nmの赤外線LEDを用いた真空断熱容器内の照明システムを製作し、動作確認した。また、赤外線カメラを導入し、これらの照明に感度があること、そしてこれらの照明に照らされた容器内の撮影が可能であることを実証した。 液体キセノンを使用する-100度程度で動作可能な圧力センサーを導入し、これらを真空断熱容器内に接続する容器の窓パネルの設計および製作を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の影響で海外製品の生産および納品が遅れ、当初予定していた各種測定を行うことができなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度行うことができなかった新しいベローズを組み込んだ装置の冷却テストを行い、その後、液体キセノンを導入したテストを進める予定を立てている。
|