2019 Fiscal Year Annual Research Report
Physics of energy partition between ion and electron during magnetic reconnection
Project/Area Number |
19H01949
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 真弘 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90241257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂華 邦裕 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10719454)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 磁気リコネクション / 無衝突プラズマ / プラズマ加熱 / 粒子加速 / エネルギー分配 |
Outline of Annual Research Achievements |
高温希薄な無衝突系のプラズマでは、通常のボルツマン統計で知られているエネルギー等分配の法則は成り立たず、イオンと電子とでは温度が異なる「エネルギー非等分配」の状態が通常である。またその速度分布関数も、熱的マックスウェル分布ではなく熱的エネルギーを凌駕する非熱的成分を有しているのが一般的である。本研究では、無衝突磁気リコネクションに注目して、そのエネルギー非等分配について理解することを目的としている。 本年度の実施計画として設定したのは、以下の3点である。(1)PICシミュレーションで、イオンと電子の質量比をかえることで、イオンと電子のエネルギー分配を調べる、(2)プラズマシートにおける縦磁場の強度が上がるとき、イオンと電子のエネルギー分配がとのように変化するかを調べる、3)MMS衛星観測データを用いて地球磁気圏尾部でのイオンと電子のエネルギー分配を調べる。 この計画に沿って研究を進めたが、ほぼ予定通りに以下の成果を得た。(1)質量比を1から1800まで変えてシミュレーションを行った結果、イオンと電子の温度増加の比が、(質量比x初期温度比)の4分の1乗則に従うことを見出した、(2)縦磁場が入ると、シミュレーション結果では、電子へのエネルギー分配が増えること、そして強縦磁場では電子の方がイオンよりも温度が高くなることがある、(3)MMS衛星のデータ解析では、シミュレーションで得られた断熱/非断熱過程によるエネルギー分配と整合的な結果が得られ、GRL論文として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初に設定した研究計画が予定通り順調に進み、理論シミュレーション結果を磁気圏での衛星観測と照らしわせたうえでの知見を得ることも出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
反平行磁場のプラズマシートでのエネルギー分配は、予定通りほぼ理解できたので、今後は縦磁場を持つプラズマシートでの解析を進めていく。既にイオンと電子のエネルギー分配について、シミュレーション結果をもとに温度比などの性質は調べたので、この結果を理解する理論的な考察を進める。 またこれまでは、等価温度(速度分布関数に対して速度の2次モーメント)だけに着目してきたが、今後は熱的分布と非熱的分布の形成についても、シミュレーション結果をもとに、特徴的な性質を見出すことを試みる。
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[Journal Article] Anomalous plasma acceleration in colliding high-power laser-produced plasmas2019
Author(s)
T. Morita, K. Nagashima, M. Edamoto, K. Tomita, T. Sano, Y. Itadani, R. Kumar, M. Ota, S. Egashira, R. Yamazaki, S. J. Tanaka, S. Tomita, S. Tomiya, H. Toda, I. Miyata, S. Kakuchi, S. Sei, N. Ishizaka, S. Matsukiyo, Y. Kuramitsu, Y. Ohira, M. Hoshino, and Y. Sakawa
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Journal Title
Physics of Plasmas
Volume: 26
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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