2020 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブ森林生態系の津波減勢効果とその社会実装に関する実証的研究
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19H01981
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
柳澤 英明 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (70635995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 豊彦 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00137580)
渡辺 信 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (10396608)
鈴木 高二朗 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (50360764)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マングローブ / グリーンインフラ / 津波減衰効果 / 津波シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数の調査地点における比較を通じてマングローブ森林生態系の生育に関する環境条件を解明し、その条件を考慮した際に得られる津波減勢効果を、現地調査および数値シミュレーションモデルなどを用いて定量化するとともに、費用対効果を考慮することで、グリーンインフラとして社会実装していくための評価手法を構築することを目的とする。 本年度は新型コロナ感染症によるパンデミックの影響で、予定していた海外調査の実施ができなかったため計画を変更し、日本国内でマングローブが群生する沖縄県石垣島と西表島を対象として、津波減衰効果の定量評価に必要となるマングローブの形状調査を行った。また緊急事態宣言などの状況が続く中で調査期間を限定しつつ短期間で調査を効率的に実施ができるように、新たに低価格で測量が可能な3Dスキャナーシステムを独自開発した。さらに取得した点群データから樹径や樹木を抽出するためのシステムを構築することで、簡便的にマングローブの形状評価を実施することが可能となった。独自開発した3Dスキャナーシステムの精度を検証した結果、マングローブの胸高直径を約1.6cm以内の精度で測量することが可能であり、形状評価として有効であることが分かった。また西表島浦内川を対象に衛星画像およびドローン画像の分析を行った結果、浦内川河口では最大年2mの速度で陸側にマングローブ林が拡張するとともに、約60年程度でヤエヤマヒルギからオヒルギに樹種が遷移することが分かった。費用対効果については、防波堤とマングローブの波浪減衰効果を考慮し、防波堤天端高とコストの関係から費用削減効果としてのマングローブの価値を評価する手法を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍が継続的に続いたことで海外調査を実施することができず、また国内調査においても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による移動制限により現地調査の実施や日程調整が難航した。そのため対象地域の変更をするとともに、計画していた調査データを取得することが大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
現状ではコロナ禍が継続的に続いているため、海外から主な対象を日本国内でマングローブが群生する沖縄県石垣島と西表島に変更し、マングローブ形状の調査や衛星画像、ドローン画像、3Dデータの分析を進める。また初年度に実施したベトナムでの調査データを合わせることでマングローブ形状を定量化し、数値シミュレーションに組み込むことで津波減衰効果を検討していく。
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Research Products
(7 results)